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非ウイルス性鬱血性肝硬変(平成21年度)

ひういるすせいうっけつせいかんこうへん
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慢性肝疾患(血管閉塞を伴うもの)

1. 概要

肝臓から流れ出る肝静脈か、肝部下大静脈の閉塞ないしは狭窄によって、肝臓から出る血液の流れが悪くなり、門脈の圧が上昇し、門脈 圧亢進症等の症状を示す疾患。男性にやや多く、男女比は1.6:1である。平均発症年齢は男性36歳、女性47歳。急性型と慢性型に分けられ、急性型の症 状は重篤で、腹痛、嘔吐、急速な肝臓の腫大、腹水等で発症し、多くが1ヶ月以内に死亡するが、希である。大部分は慢性型で、多くの場合無症状で経過し、次 第に下腿浮腫、腹水、腹壁静脈怒張等を認める。また門脈圧亢進に伴う食道胃静脈瘤の発や、肝硬変に至る例も認められる。

2. 疫学

年間約300人前後通院あるいは入院しており、有病率は人口100万人当たり2.4人

3. 原因

肝静脈あるいは肝部下大静脈の先天的な血管形成異常や、後天的な血栓等が原因として考えられているが、約70%は原因不明。基礎疾 患として、血液疾患、経口避妊薬の服用、妊娠・出産、腹腔内感染、血管炎、血液凝固異常等を合併している症例があるが、単一の病因として指摘されているも のはない。欧米では、血液凝固異常に関する遺伝子異常の報告があるが、我が国の症例では明確な関連がない。血栓形成がなぜ肝静脈や肝部下大静脈に起きるの かは、病理学的研究は新たなアプローチとして医用画像解析、流体力学的解析なども行われている。

4. 症状

下腿浮腫、腹壁怒張などの側副血行路の発達に伴う症状や、門脈圧亢に伴う食道胃静脈瘤、脾機能亢進症、腹水などの症状が起きる。また、肝線維化が進行し肝硬変、肝不全にいたる症例もある。

5. 合併症

肝機能障害、門脈圧亢進症を合併することが多い。長期経過例では肝細胞癌の合併が認められる。

6. 治療法

血栓に対する治療として血管拡張術、直達手術(血栓除去術)、血管形成術、肝移植手術が行われている。基礎疾患を伴う症例では基礎 疾患の治療を併用する。また、肝機能障害、門脈圧亢進症に対しては対症療法が行われ、とくに食道胃静脈瘤に対しては内視鏡的治療などの予防治療が行われ る。

7. 研究班

非ウイルス性鬱血性肝硬変の病態解析・治療法確立に関する研究