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(11)整形外科疾患過剰運動症候群(平成24年度)

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1. 概要

全身の複数関節に過可動性を来す症候群で、変形や不安定性による機能障害を来す。関節痛、機能障害に至る重症例の頻度はきわめて少なく、正確な罹患率も不明である。過剰運動症候群という概念の重要性は2000年以降に次第に認識されてきている。しかしまだ疾患概念としての関節過剰運動の定義にまだコンセンサスが得られておらず、十分に確立された診断基準もない。そのような中で、マルファン症候群、エーラース-ダンロス症候群 III型、あるいは骨形成不全症の軽症の臨床的特徴を呈しつつ遺伝性の結合織疾患hereditary connective tissue disorder (HCTD)として、関節の過剰運動性により機能障害をきたす病態であるとの疾患概念が単純化されて理解しやすいが、実際の深遠かつ正確な病態把握には今後のさまざまな検討が必要な段階である。

2. 疫学

軽症のものの多くは見過ごされているとも考えられるが、小児期から重症の症状を呈する頻度はきわめて少ない。現時点での正確な情報はない。

3. 原因

家系内に同様の症状の集積の見られる場合もあり、テネイシン-X、コラーゲンなどを含め結合組織に関わる複数の原因があると考えられるが、原因は不明である。

4. 症状

関節周辺の不定愁訴から発症し、全身の複数の関節過可動から関節脱臼、亜脱臼、関節の変形へと進行することがある。変形と不安定性による支持性の低下、関節痛などの症状を呈するが、症状の改善に至る経過良好の例から疼痛管理の難しい例まで、症状に幅がある。

5. 合併症

関節症状のみの場合もあるが、皮膚症状、自律神経症状を有することがある。

6. 治療法

疼痛管理が重要であり、理学的療法、装具や生活指導に加えて心理的なサポートも重要である。確立された治療指針はなく、治療法として存在するものはすべて、対処的な方法のみである。

7. 研究班

重症骨系統疾患の予後改善に向けての集学的研究
小児期より著しい関節の過剰運動性を有する場合には、さまざまな装具をもちいながら関節の安定性をえることで日常生活を維持することになりその不利益は大きい。しかし、外観上正常にみられることから、適切な装具療法や生活指導を受けずに、見過ごされる場合も多いため、正確にその問題点を明らかにすることがまず求められる。本研究班ではまず疫学的な把握を行い、さらにその病状と臨床的な問題点の理解を行うことに取り組む。