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消化器系疾患分野ヒルシュスプルング病類縁疾患(平成23年度)

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1. 概要

ヒルシュスプルング病は先天的に腸管の神経節細胞が欠如するために腸管蠕動不全をきたし腸閉塞症状を呈する疾患であるが、病変の範囲が限定されておりその診断と治療法は確立されている。一方、H類縁は腸管の神経節細胞が存在するにもかかわらず腸管の蠕動不全をきたす疾患の総称で、疾患の稀少性のためその分類や治療方針に関するコンセンサスが得られていない。現在のところ、神経節細胞が正常なもの(CIIPSやMMIHSなど)と異常なもの(ImmaturityやHypoganglionosisなど)に分類するのが一般的であるが、これらの中には難治性のものと自然治癒傾向のものが混在している。さらにそれぞれの診断基準が定まっていないため診断・治療に難渋しているのが現状である。

2. 疫学

ヒルシュスプルング病は約5000出生に1とされているが、H類縁はさらに極めて少ない。かつて厚生労働研究でとりあげられたことがなく発生率が不明である。1993~1996年の文科省科学研究費総合研究A(岡本班)の調査では班員の施設のみでその年までに経験した症例が合計130例であった。しかし母数がはっきりしないのと悉皆性に乏しく、発生率は不明である。H類縁の治療成績を向上させるためには分類と診断法の確立と治療指針の作成が必要であるが、各施設それぞれ数例程度の経験しかなく、共通の土壌で論じるのが困難な状況である。

3. 原因

ヒルシュスプルング病は神経堤からの神経節細胞の遊走分布が途絶したためにおこるとされておりいくつかの原因遺伝子の報告があるが、多様で変異の部位もまちまちであり一元的には解明されていない。一方H類縁に関しては全く不明である。一部神経節細胞僅少症のなかには後天的原因で腸管神経節細胞が消失するのもあるが原因については不明である。

4. 症状

新生児期から小児期まで急性の腸閉塞や重症便秘として発症するが、新生児期発症のものは重症で全消化管の蠕動不全をきたし、長期の絶食、静脈栄養管理を必要とするものが多い。

5. 合併症

腸管の蠕動不全や異常拡張のため腸管内で細菌が異常増殖をきたしbacterial translocationによる敗血症によるショックで突然死亡する症例や、長期にわたる静脈栄養の合併症としての敗血症や肝不全により死に至る。

6. 治療法

蠕動不全の腸管を切除して腸閉塞がおこらない長さで人工肛門で腸管減圧を行う。長期にわたる静脈栄養と経腸栄養で延命をはかる。小腸移植の適応になる症例もある。

7. 研究班

「Hirschsprung病類縁疾患の現状調査と診断基準に関するガイドライン作成」研究班