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血管奇形分野遺伝性出血性末梢血管拡張症(オスラー病)(平成23年度)

いでんせいしゅっけつせいまっしょうけっかんかくちょうしょう(おすらーびょう)
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1. 概要

遺伝性出血性末梢血管拡張症(オスラー病)は,1.遺伝的発生,2.皮膚・粘膜および内臓の多発性末梢血管拡張,3.それらの部位からの反復する出血を3主徴とする疾患である.合併する脳動静脈奇形や肺動静脈奇形が破裂すれば時に致死的となることが報告されている.

2. 疫学

従来,本疾患来欧米に多い疾患であると考えられており,その有病率は少なく見積もって10,000に1人であると報告されていた.最近,日本における大規模な疫学調査が行なわれ,日本における有病率もほぼ欧米に匹敵し,その遺伝疫学調査が行なわれた地域では有病率が5000〜8000人に1人であった(Dateishi,M, et al. 2002).

3. 原因

常染色体優性遺伝により発症する.現在まで,責任遺伝子としては,HHT1(Endoglin),HHT2(ALK1)が確認されている.最近,この2つ以外の責任遺伝子の存在がいくつか推定されているが,未だに確定されていない.

4. 症状

鼻出血,消化管出血,腹痛,口腔内出血,全身倦怠感,痙攣,頭痛など極めて多彩である.

5. 合併症

肺,脳,肝臓などの動静脈奇形が破裂すれば致命的な転帰となることがある.その他,重篤な合併症としては,脳膿瘍,敗血症,肝性脳症,消化管出血,粘膜出血などがある.

6. 治療法

肝臓以外のほとんどの臓器に出現した血管奇形に対しては,まず.カテーテルを用いた血管塞栓術が第一選択の治療法として行なわれる.その次に実施される治療法としては,脳血管奇形に対しては外科的摘出,定位放射線療法がある.鼻出血に対しては,焼灼療法,鼻粘膜皮膚置換術が行なわれる.消化管に生じた出血に対して内視鏡的治療が行なわれ,最近ではアルゴンプラズマ凝固が多く行なわれている.

7. 研究班

遺伝性出血性末梢血管拡張症(オスラー病)に関する遺伝疫学的検討と診療ガイドラインの作成班(塩谷研究班)