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神経系疾患コハク酸セミアルデヒド脱水素酵素(SSADH)欠損(平成23年度)

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1. 概要

γ-アミノ酪酸(γ-aminobutyric acid:GABA)の先天代謝異常症のひとつで、コハク酸セミアルデヒド脱水素酵素(Succinic semialdehyde dehydrogenase:SSADH)の欠損でγ−ヒドロキシ酪酸(4-hydroxybutyric acid)尿症をきたす。世界で150例程度の報告がある。

2. 疫学

2009年度に施行した本研究班による全国調査では患者として明らかになったのは4名であった。遺伝形式は常染色体劣性遺伝を呈する。

3. 原因

SSADHの先天的な欠損により、GABAの代謝産物であるコハク酸セミアルデヒドがコハク酸に変換されないため、γ−ヒドロキシ酪酸が増加する。責任遺伝子は6番染色体(6q23)に存在し、常染色体劣性遺伝形式を取る。γ−ヒドロキシ酪酸は、ヒトや動物にγ−ヒドロキシ酪酸を投与すると逆の作用が現れることセミがあるため、本疾患の病因におけるこの物質の役割は不明である。

4. 症状

臨床症状は、通常乳児期の初期に現れ始めその症状には軽度から中等度の発達遅滞、精神遅滞、言語表出障害、著しい筋緊張低下、睡眠障害、不注意、多動、不安腱反射低下、非進行性小脳失調、けいれんと多彩であり、通常は非進行性だが、まれに(10%)進行性の場合がある。運動失調は年齢と共に改善する場合がある。頭部MRIでは、典型的にはT2強調像で淡蒼球の対称性の高信号を認める。

5. 合併症

眼球運動失行、舞踏病アテトーゼ、自閉症の特徴、攻撃行動などがある。

6. 治療法

治療はほとんど効果が認められていないが、GABAトランスアミナーゼの阻害剤で抗けいれん剤のビガバトリン(vigabatrin:γ-ビニル-GABA)は、一部の患者で運動失調と精神状態をある程度改善する。

7. 研究班

小児神経伝達物質病の診断基準の作成と新しい治療法の開発に関する研究班