メニュー


HOME >> 難治性疾患研究班情報(研究奨励分野) >> 筋型糖原病(平成23年度)

筋疾患分野筋型糖原病(平成23年度)

きんがたとうげんびょう
研究班名簿 一覧へ戻る

1. 概要

糖原病は先天的なグリコーゲンの代謝異常症であり、現在14種類の病型が報告されている。筋型糖原病は筋症状(筋力低下、筋痛など)を呈するものを総称し、現在12種類の病型の報告がある。症状は筋症状のみならず、肝症状、心筋症状、中枢神経症状などを合併する場合もある。診断は組織化学診断、酵素診断が主流であるが、遺伝子診断も可能である。

2. 疫学

日本では不明であるが、我が国での筋型糖原病の調査ではII型(ポンペ病)、III型(コーリー病)、V型(マッカードル病)(2:1:1)が多く、この3型で70%を占めていた。ドイツでは糖原病は出生11万3千人に1人と報告されている。台湾のデータではII型は4万人に1人とされていることから類推すると、主な筋型糖原病の日本全体の推計では5000~6000人程度と考えられる。

3. 原因

筋型糖原病は先天性の解糖系酵素欠損による。その結果グリコーゲンの分解経路が障害され、ATP産生の低下およびTCAサイクル、呼吸鎖への基質の供給障害、中間代謝物の蓄積を来たす。分子遺伝学的には当該酵素の責任遺伝子の変異が報告されている。また日本人では糖原病V型(マッカードル病)の約半数で特有の好発変異(708/709delTTC)が認められている。発症病態としては筋収縮の際のエネルギー供給不全によるものと、蓄積した中間代謝物(主にグリコーゲン)による筋細胞障害の2つに分類できる。

4. 症状

筋型では筋症状(筋痛、運動時の易疲労感、筋力低下、横紋筋融解症)および心筋障害などを認める。血液検査では高CK血症を示す。発症時期は新生児期から成人期まで幅広く、新生児期発症のものでは重篤な呼吸障害などで致死的な場合があり、予後が不良な例もある。幼児期以降は筋力低下、運動時の筋痛、筋硬直、横紋筋融解症など日常のQOLが障害されることが多い。通常知的発達は正常である。

5. 合併症

当該酵素発現が筋組織以外に他臓器にもわたる場合は、それぞれの臓器障害を合併する。例えば肝腫大、肝機能障害、心肥大、心不全、中枢神経症状(精神遅滞、けいれんなどを合併する。また横紋筋融解症では大量のミオグロビンが筋細胞から逸脱すると、ミオグロビン尿症、腎尿細管障害、腎血流障害を起こし、腎不全を来たすこともある。

6. 治療法

現在根本的な治療法はないが、病態を考慮した方法として、II型(ポンペ病)では酵素補充療法が、V型(マッカードル病)ではビタミンB6補充療法がおこなわれている。また対症的にカルニチン、ATPなども使用される。日常のライフスタイルの指導、運動の仕方、食事療法なども重要である。

7. 研究班

メタボローム解析による筋型糖原病の画期的な診断スクリーニング法の確立と治療推進の研究班