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免疫系疾患分野再発性多発軟骨炎(平成23年度)

さいはつせいたはつなんこつえん
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1. 概要

軟骨に炎症をきたす原因不明の全身炎症性疾患である。耳介軟骨に初発することが多く,片側または両側耳介の疼痛,発赤,変形がみられる。鼻の軟骨も侵され、鼻の痛みや鞍鼻を呈することもある。全身の関節軟骨、眼(結膜炎,強膜炎など)や,皮膚,気道軟骨や心血管系に炎症症状を生じることもある。特に注意を要するのは喉頭、気管、気管支の軟骨病変で、炎症の進行によって気道閉塞(呼吸障害)の生じることがあるので、早期の診断が必要である。平成21年度の我が国の調査では、再発性多発軟骨炎 239例の臨床経過は治癒・改善が72.3 %、不変13.3 %、悪化 3.8 %、死亡が 9.2 %であった。

2. 疫学

米国における研究調査から本症患者数は100万人に数人程度といわれており、我が国における患者数は400~500人と推定される。

3. 原因

再発性多発軟骨炎は、原因不明で稀な難治性疾患で、その希少性ゆえに本邦における疫学情報や病態に関する研究は不十分であり、かつ診断・治療のための指針は未だ作成されていない。

4. 症状

耳介軟骨に初発することが多く,片側または両側耳介の疼痛,発赤,さらには変形をきたす。また,鼻の軟骨も侵されやすく,鼻の痛みや変形を生じ,鞍鼻を呈することもある.そのほか,全身の関節軟骨、眼(結膜炎,強膜炎など)や,皮膚,気道、心血管系に病変を生じることもある.特に注意を要するのは気道病変で,約50%の患者に気管・気管支軟骨への病変進行がみられ、呼吸困難症状を悪化させることがあり、注意を要する。

5. 合併症

炎症性疾患を合併し、血液検査で炎症の存在を示す値の上昇がみられることがある。気管支軟骨の病変が進行すると二次的に気管・気管支軟化症をきたし、呼気時に容易に狭窄して喘鳴,呼吸困難など気管支喘息と類似した症状を呈し、重症例では気道閉塞に注意を要する。

6. 治療法

薬物療法としてステロイド薬や免疫抑制薬が用いられる。免疫抑制剤については、メソトレキサート、シクロフォスファミド、シクロスポリンの3剤の有用性が示唆された。重症例には生物学的製剤が用いられる場合があり、有効率は約50%であった。ステロイド治療のみでは気道病変を防止できないことが明らかになった。気道病変が進行し、気道閉塞を生じた症例には気管切開や気道内留置ステントが適応となる。

7. 研究班

再発性多発軟骨炎の診断と治療体系の確立