神経系疾患|Aicardi症候群(アイカルディ症候群)(平成23年度)

あいかるでぃしょうこうぐん
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1. 概要

1965年にAicardiらにより初めて報告された。脳梁欠損、点頭てんかん、網脈絡膜症を三主徴とする先天性奇形症候群。様々な種類の脳奇形、難治性痙攣、重度の精神発達遅滞を呈し、本疾患の本態は神経発生異常と考えられている。稀な疾患であり、原因も不明であるため治療法も確立されていない。

2. 疫学

詳細は不明。

3. 原因

現時点では不明。患者の大部分が女児であることから、X染色体優性遺伝(男児では致死性)、もしくは常染色体上の限性発現遺伝子の異常により女児にのみ発症するとも考えられている。de novoの均衡型転座(X;3)を伴う症例から遺伝子座はXp22にマッピングされているが、疾患責任遺伝子単離には至っていない。

4. 症状

脳梁欠損、点頭てんかん、網脈絡膜症(Lacunae)を三主徴とする。痙攣発作は生直後から3カ月頃までに発症することが多く、全例に出現し、難治性である。

5. 合併症

中枢神経系の異常(脳回・脳室の構造異常、異所性灰白質、多小脳回、小脳低形成、全前脳胞症、孔脳症、クモ膜嚢胞、脳委縮など)、重度の精神運動発達遅滞、筋緊張低下、眼症状(視神経・脈絡膜欠損)、骨格異常(椎体奇形、側弯、肋骨欠損、癒合、二分肋骨)、口唇口蓋裂、摂食障害、肺炎、腫瘍性病変など

6. 治療法

痙攣に対する抗けいれん薬(ACTH、バルビツレート等)があげられるが、難治性である。摂食障害や肺炎などが主な死因であることから、それらに対する予防や対症療法などの全身管理となる。根本治療はない。

7. 研究班

Aicardi症候群の疾患病態解明と診断・治療法の開発研究班