眼科疾患|特発性周辺部角膜潰瘍(平成23年度)

とくはつせいしゅうへんぶかくまくかいよう
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1. 概要

特に全身疾患を伴わずに突然に角膜周辺部の潰瘍をきたす疾患で、一般的には「Mooren潰瘍」と称される。若年から中高年の片眼または両眼に発症し、著明な眼表面の炎症を呈するとともに、急速に進行して角膜穿孔をきたす。視力予後は著しく不良であるが、発症頻度が稀なために診断ならびに治療法ともに確立しておらず、発症機序、病態も未解明である。関節リウマチ、Wegener肉芽腫症などの膠原病においても角膜周辺部に潰瘍を生じ、類似の経過をたどる。これらは強膜病変や涙液分泌減少を伴い、「Mooren潰瘍」とは異なる疾患として区別される。

2. 疫学

不明

3. 原因

発症素因としてHLA型との関連が報告されているが、HLA型は民族による違いが大きく、日本人の特発性周辺部角膜潰瘍に関連するHLA型は不明である。C型肝炎との関連、寄生虫感染の関与、角膜抗原性への自己免疫の関与を示唆する報告があるが、病態は十分に明らかではない。以上のように、何らかの免疫異常によると考えられるが、発症機序、病態の詳細は不明である。

4. 症状

結膜充血、毛様充血、眼痛、流涙、視力低下など。

5. 合併症

進行すると角膜穿孔をきたす。
続発性白内障、続発性緑内障、まれに感染性眼内炎を合併する。

6. 治療法

ステロイド剤の点眼、ステロイド剤と免疫抑制剤(シクロスポリン)の内服がある程度有用である。しかし保存治療を行っても急速に進行して、しばしば角膜穿孔に至る。手術治療として上皮移植、ボーマン膜の移植が有用とされるが、その奏功機序は不明である。

7. 研究班

特発性周辺部角膜潰瘍の診断および治療に関する研究