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耳鼻科疾患 眼科疾患分野アッシャー症候群(平成23年度)

Usherしょうこうぐん
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1. 概要

Usher症候群は、感音難聴と網膜色素変性症を合併する常染色体劣性遺伝性疾患である。現在までに難聴と視覚障害を合併する疾患は約40種類知られているが、その中で約半数を占め最も頻度が高い。Usher 症候群の患者は視覚・聴覚の重複障害となるため、日常生活に支障を来す。
難聴の程度、視覚障害の程度ともばらつきが大きいが、難聴・視覚障害とも進行性の経過をたどるケースが多く、視覚障害に関しては効果的な治療法は開発されていない。聴覚障害に関しては、補聴器・人工内耳の早期からの装用およびリハビリテーションの開始により、大きな改善が認められる可能性が高い。

2. 疫学

我が国におけるUsher症候群の有病率は、1978年に人口10万人当たり0.6人と報告されていたが、研究分担者である岩崎らの報告では人口10万人に対し6.8人とされており、我が国における実態は未だ不明確であり、正確な実態把握が必要な状況である。

 

3. 原因

Usher症候群は、症状の程度と発症時期によりType1からType3の3つのTypeに分類される(Smith 1994)。さらに、原因遺伝子の遺伝子座により、Type1は6個(Type1B〜1G)、Type2は2個(Type2A、2C)、Type3は1個(Type3A)のSubtypeに分類され、Type1で5個(MYO7A、USH1C、CDH23、PCDH15、SANS)、Type2で2個(USH2A、VLGR1b)、Type3で1個(USH3A)の原因遺伝子が同定されているが現在までに発症のメカニズムは明らかとなっていない。日本における各タイプの頻度等は未だ明らかとなっていない。

4. 症状

主な症状として感音難聴と網膜色素変成症を合併するが、その程度にはばらつきが大きい。Smithらにより臨床的特徴から3つのタイプに大別されている(Smith 1994)。
タイプ1:幼少期より高度難聴を呈す。めまい・ふらつきの自覚あり。視覚症状は10歳前後より生じる。
タイプ2:若年期より中等度の難聴を呈する。また高音障害型の難聴を呈するケースが多い。めまい・ふらつきは伴わない場合が多く、視覚症状は思春期以降に生じてくる。
タイプ3:難聴、視覚症状とも思春期以降に生じ、難聴は徐々に進行する。

5. 合併症

感音難聴と網膜色素変成症にめまい・ふらつきといった前庭症状を合併するケースが多いが、その程度にはばらつきが大きい。

6. 治療法

現在、網膜色素変成症に対する効果的な治療法は開発されておらず、対症的な方法として、遮光眼鏡の使用、ビタミンAやその仲間の内服、循環改善薬による治療などが行われていますが、その効果は限定的です。聴覚障害に関しては、補聴器・人工内耳といった適切な補装具の早期からの装用および早期からのリハビリテーションである程度改善が可能です。特に高度感音難聴の患者さんは人工内耳装用により聴力の大幅な改善が可能であることが確かめられつつあります。

7. 研究班

Usher症候群に関する調査研究班