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奇形症候群分野メビウス症候群(平成23年度)

めびうすしょうこうぐん
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1. 概要

メビウス(1888)が疾患単位として確立した。先天性顔面神経麻痺、外転神経麻痺、四肢異常(特に欠損)を特徴とする。多くは孤発例であるが、30家系ほどの家族例の報告がある。他の脳神経麻痺を伴う例もあり、類縁疾患も含めた日本の実態は明らかではない。

2. 疫学

日本での発生頻度は不明であるが、オランダでは少なくとも出生児5万人に1人と推定されている。国内では1,000人前後と推定される。

3. 原因

原因は不明である。胎生期の血流障害や遺伝要因による、脳幹(菱脳)の発生障害と考えられている。神経病理学的所見から、1)脳神経核の低形成あるいは欠損、2)脳神経核の破壊変性(最も多いタイプ)、3)脳神経核の破壊変性と末梢神経欠損、4)ミオパチーに分類される。家族例では、四肢異常を伴わないことが多く、遺伝形式は、常染色体優性遺伝、常染色体劣性遺伝、X連鎖劣性遺伝が推定されている。遺伝子座は、染色体相互転座例から13q12.2-q13、1p22が推定されている。

4. 症状

先天性顔面神経麻痺(通常両側性)による仮面様顔貌、閉眼障害、閉口障害、流涎。先天性外転神経麻痺(通常両側性)による眼球外転障害、デュアン症候群、内斜視、外斜視。他の脳神経麻痺(第3・4・5・9・10・12脳神経)。舌低形成、部分性無歯、小顎、口蓋裂。さまざまな程度の四肢欠損(50%)、内反尖足(30%)、指低形成、合指趾(20%)。乳児期の哺乳障害、呼吸障害、筋緊張低下、言語発達遅滞、嚥下困難、不明瞭言語、協調運動障害。

5. 合併症

閉眼障害による結膜炎、角膜潰瘍。慢性中耳炎による難聴、精神遅滞(10~30%)、てんかん(12%)。ポーランドシークエンス(15%)、クリッペル・ファイル奇形、側彎。

6. 治療法

新生児・乳児期の哺乳障害、呼吸障害に対する適切な対応が重要である。哺乳・摂食障害では、経管栄養や胃瘻造設も考慮する。呼吸障害には気管切開を要することもある。全身管理に加えて、眼科、耳鼻咽喉科、歯科的な対症療法が中心となる。無表情に伴うコミュニケーション障害に対する心理社会的対応も求められる。チーム医療による生涯にわたる健康管理が、よりよい生活のために必要となる。

7. 研究班

メビウス症候群の全国調査に基づく診断基準と健康管理指針作成班