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神経系疾患分野脳表ヘモシデリン沈着症(平成23年度)

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1. 概要

脳表ヘモシデリン沈着症は、1908年に報告がなされて以来、本邦、諸外国をあわせ300例ほどの報告があるのみの希少疾患である。諸外国における高齢者コホート研究からも上記患者数が推定できる。病理学的に小脳を中心とするヘモシデリン沈着と壊死、脳表のヘモシデリン沈着を認めるとされるが剖検例は少なく、臨床的報告例が他の疾患であった可能性も否定はできない。現在明確な診断基準はなく、原因も不明、治療法も確立されておらず、疾患自体も進行性でADL障害が著しい。さらに、適切な診断方法を経ずに、他の疾患と診断されてしまっている症例も多いと考えられる。本研究班による診断基準の確立は治療法開発につながるものと考えられる。

2. 疫学

本邦では諸外国のデータをもとにすると、5000~15000人程度の患者数が見込まれる。

3. 原因

疾患の原因として、外傷、血管奇形、脳腫瘍などによる持続的なくも膜下腔への出血が推察されているが、明らかな原因は同定されていない。そもそも、持続的に出血する状態があり得るのかも明らかではない。脳内には鉄やヘモシデリンが沈着し、神経組織を破壊するとされているが、真の原因がそれだけであるのかの検討も必要である。本疾患の原因解明は、鉄に起因する神経変性を解明する糸口にもなるであろう。

4. 症状

感音性難聴、嗅覚障害、小脳失調、脊髄症状、認知症、けいれんなどが主体で、頭部MRIT2あるいはT2*画像で、脳表に鉄沈着を示唆する所見を認めることを特徴とする。

5. 合併症

ADL低下に伴う、廃用症候群、転倒、誤嚥性肺炎などである。

6. 治療法

確立したものはないが、鉄キレート剤による治療の可能性が考えられている。

7. 研究班

脳表ヘモシデリン沈着症の診断基準の構築と調査に関する研究班