メニュー


HOME >> 難治性疾患研究班情報(研究奨励分野) >> 自己免疫性リンパ増殖症候群(平成23年度)

免疫系疾患分野自己免疫性リンパ増殖症候群(平成23年度)

じこめんえきせいりんぱぞうしょくしょうこうぐん
研究班名簿 一覧へ戻る

1. 概要

自己免疫性リンパ増殖症候群Autoimmue lymphoproliferative syndrome (ALPS)はアポトーシス(細胞死)の障害によりリンパ球の増殖を示し、肝脾腫、リンパ節腫脹が起こり、自己免疫疾患を合併する症候群である。またリンパ性腫瘍の発症頻度が高いことでも知られる。原因としてFAS依存の細胞死経路にかかわるFAS、FASリガンド、カスパーゼ10の遺伝子異常があげられる。またその類縁疾患としてカスパーゼ8欠損症やRAS関連自己免疫性リンパ増殖症候群様疾患 (RALD)、 Dianzani自己免疫性リンパ増殖症 (DALD)、X連鎖リンパ増殖症 (XLP1)が知られている。

2. 疫学

不明、全世界で400例ほど報告されている。

3. 原因

細胞のアポトーシス(細胞死)に関与する、FAS及びFASリガンド、カスパーゼ10の遺伝子異常で発症する。生殖細胞系列の変異で発症するもの、体細胞レベルの変異で発症するものがある。また臨床症状からALPSと診断されるものの、遺伝子異常の不明な例もある。ALPS類縁疾患のカスパーゼ8欠損症やRAS関連自己免疫性リンパ球増殖症候群様疾患は各々カスパーゼ8の遺伝子異常、NRASもしくはKRASの変異で発症する。いずれもリンパ球のアポトーシスによる細胞死が障害されているため、不適切なリンパ球増殖が起こることがその病因と考えられる。

4. 症状

リンパ節腫脹、肝脾腫を示す。自己免疫異常の結果、血小板や赤血球、好中球に対する抗体が産生され、血小板減少症、溶血性貧血、好中球減少などを示すことがある。自己免疫性の血小板減少症、溶血性貧血を示すエバンス症候群の半分程度がALPSであるとの報告もある。自己免疫性の腎炎、肝炎、ぶどう膜炎、関節炎などを合併することもある。自己免疫病態は主として乳児期に目立ち、成長とともに軽快するものが多いとされているが、一部の症例では成人してからも多様な自己免疫疾患の合併が認められる。RALDを始めとしたALPS類縁疾患とALPSを症状より鑑別するのは難しいが、カスパーゼ8欠損症は免疫不全を強く呈することが知られている。

5. 合併症

自己免疫の種類により多彩な症状をきたす可能性がある。リンパ性腫瘍の発症頻度が高い

6. 治療法

ステロイドを中心とした免疫抑制療法が中心となる。無効例にはミコフェノール酸モフェチル(MMF)やシクロスポリンなどの免疫抑制剤や、メルカプトプリン水和物(6-MP)などの抗腫瘍薬が用いられる。根治的治療としては造血幹細胞移植が考えられるが、成長とともに症状が軽快するものが多いとされ、適応は限られる。

7. 研究班

自己免疫性リンパ増殖症候群(ALPS)およびその類縁疾患の実態調査および病態病因解析研究班