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循環器系疾患分野家族性大動脈瘤・解離(平成23年度)

かぞくせいだいどうみゃくりゅう・かいり
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1. 概要

胸部大動脈瘤及び解離の原因としてマルファン症候群に代表される結合組織異常が知られているが、マルファン症候群に見られる身体的特徴を有さない家族性集積例があり、家族性胸部大動脈瘤・解離として注目されている。頻度としてはマルファン症候群以外の19~21%と報告されている。また、大動脈瘤径の拡大がマルファン症候群の0.1cm/年、特発性の0.03cm/年に比して、0.22cm/年と有意に速い事が特徴の一つであるとされている。発症部位・年齢は同一家族内でも必ずしも一定ではない。

2. 疫学

日本独自の統計はないものの、胸部大動脈瘤(6人/10万人)のうち約20%とされている。

3. 原因

家族性大動脈瘤には様々な遺伝子異常が関与し、遺伝形式も常染色体優性のみならず浸透率程度の差も大きい。現在までに原因遺伝子としてはTAAD1、FAA(familial aortic aneurysm)1、TAAD2,TGFBR1、2(transforming growth factor-beta type I、II)遺伝子が挙げられており、また染色体5q13-15、 11q23.2-24、 3p24-25にも原因遺伝子の候補が存在する事が知られている。また、血管平滑筋特異的ミオシン(MYH11)やアクチン(ACTA2)の遺伝子変異も報告されている。マルファン症候群やロイス・ディーズ症候群等の近縁疾患との遺伝子異常の重複については今後の解析が更に必要である。

4. 症状

鬱血性心不全を呈し得る。また瘤径の拡大に比例し、気管や食道を圧迫して咳嗽・息切れ、反復性の肺炎、嚥下困難を来たし得る。また反回神経の圧迫から嗄声を来たす事もある。最終的には瘤破裂・解離を来たし、典型的な急性大動脈症候群の症状を呈し得る。また置換術での合併症として脳梗塞・心筋梗塞・腎不全・出血や胸腹瘤術後に起こりえる対麻痺が挙げられる。

5. 合併症

殆どの胸部瘤患者は診断時に無症状である。大動脈根部の拡張から大動脈弁不全を生じ、

6. 治療法

外科的治療法は人工血管置換術が基本であり、上行瘤は径5.5cm以上、また下行瘤では6cm以上の場合適応とされる。マルファン症候群・家族性大動脈瘤等の場合は、より早期に大動脈弁置換を含めた適応とする施設が多い。逆に高齢や脳梗塞既往、再手術例では手術危険度を勘案した術時期決定がなされる。内科的には降圧薬治療となるが、下行瘤ではβブロッカーの有用性が示されており、またマルファン症候群の大動脈根部の拡張に関しては、ACE阻害薬やARBの有用性が昨今示され始めている。

7. 研究班

家族性大動脈瘤・解離の実態解明・効果的な進行予防・治療を目的としたレジストリー構築に関する研究班