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原発性免疫不全症候群に関する調査研究

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本調査研究班は、原発性免疫不全症候群を専門とする15施設を中心として研究を行い、迅速で正確な診断、よりよい治療、病因・病態解析、治療ガイドラインの作成、新規治療法の改良・開発を介して原発性免疫不全症の患者QOLと医療水準の向上を目的としている。原発性免疫不全症候群は、現在までに150種類以上の疾患があり、いずれも比較的稀な疾患であることから、専門とする医師が不足しており、診断に必要な免疫能検査や遺伝子検査が行える施設が少ない。当研究班では、上記の目標の下、これまでに種々の疾患の病態の解明、高IgE症候群をはじめとする原因の解明、造血幹細胞移植や遺伝子治療を含め最適な治療法の開発など国際的にも評価の高い研究活動を展開している。共通γ鎖欠損症、Bruton無ガンマグロブリン血症、Wiskott-Aldrich症候群、IRAK4欠損症、家族性組織球性血球貪食症候群など多くの疾患について迅速診断法を開発し、遺伝子診断以前に簡易に診断することを可能とした。さらに理化学研究所やかずさDNA研究所と共同で、患者登録をホームページから行い、主治医からの相談があれば各専門家へ連絡する体制をとっており、Wiskott-Aldrich症候群や慢性肉芽腫症に対する造血幹細胞移植法についてもその中で紹介している。遺伝子解析が診断に必要である場合、理化学研究所やかずさDNA研究所と共同で、正確な遺伝子診断が可能となった。海外に例をみない初めての試みであり、このPIDJプロジェクトは高く評価されており、PID in Asiaとしてアジア地域とも連携し、共同研究体制を構築している。今回行った全国疫学調査研究では、原発性免疫不全症候群の小児・成人患者を把握し、同時に主治医のメールアドレスを登録し、継続的に免疫不全症に関する最新の情報提供を行うことにより、この疾患に対する医療水準を向上させることが期待される。今回の調査結果では、国内の原発性免疫不全症候群の推定有病率は人口十万人あたり2.7人であった。これまで我が国では少ない患者数しか把握できていなかったが、実際には欧米とほぼ同等な患者数であることが初めて確認された。また発癌や自己免疫疾患などの合併症も多いことが判明し、Bruton無ガンマグロブリン血症患者のQOL調査では、健常者と比較して身体的、精神的健康度ともに低下しているという問題と、患者の疾患の理解が不十分であることも明らかとなった。これらの結果を基に、主治医への原発性免疫不全症候群に関する最新の情報提供を行い、早期診断による感染症や合併症の予防、最適な治療法などについての最新の情報を発信している。患者家族会(PIDつばさの会)との交流も密接に行っており、講演会や情報交換会を開催している。

ホームページ   http://pidj.rcai.riken.jp/index.html

PIDつばさの会   http://www.npo-pidtsubasa.org/