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強皮症における病因解明と根治的治療法の開発

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強皮症調査研究班は、診療科を問わず、国内の強皮症研究の専門家を集めることによって、強皮症がどうして発症するのか?(強皮症の原因はなにか?)、それに対してどのように治療していけばよいのか?について検討する研究班です。強皮症では、3つの異常がお互いに関連して起こっていると考えられています。まず第一の異常としては、コラーゲンの増加があります。コラーゲンは、線維芽細胞と呼ばれる細胞から作られる物質で、私たちの体にとって不可欠のものですが、強皮症ではコラーゲンが異常にたくさん作られるために皮膚や内臓が硬くなってしまいます。研究班ではその原因として、強皮症患者さんから採取した線維芽細胞の異常をいくつも見つけてきました。特に線維芽細胞からコラーゲンの産生を増強するTGF-βと呼ばれる分子の作用が、強皮症で異常に強く起こっていることを明らかにしました。第二の異常として、免疫の活性化があります。免疫とは、細菌やウイルスに対して私たちの体に備わっている軍隊のようなもので、こういった病原菌を退治する働きがありますが、強皮症ではこの免疫の働きが強くなりすぎて、自分で自分の体を壊してしまっていると考えられています。この原因として、体の中の軍隊の一種であるB細胞と呼ばれる細胞に異常が起こっていることを初めて明らかにしました。これから、このB細胞を除去したり、その機能を調整するような治療法の有効性について検討していく予定です。さらに、体の中のその他の軍隊であるT細胞やマクロファージなどについても異常を発見しています。第三の異常として、血管の障害があります。血管の障害のために、強皮症ではレイノー症状や指先の潰瘍が起こります。研究班では、その異常の原因として、骨髄からの血管を作る細胞が減少していることを発見しました。また、Fli-1と呼ばれる分子が減少しているために、血管の異常が起こっている可能性もわかってきました。このように少しずつではありますが、強皮症が起こる原因が明らかにされつつあります。

次に強皮症をどのように治療していけば良いのかについては、2つの段階で研究しています。まず、強皮症とよく似た症状を示すネズミに、効果が期待できる薬剤を投与してその有効性を検討しています。これまで有望な薬剤がいくつか見つかっています。次の段階では、強皮症の患者さんに使って有効かどうかを見る必要がありますが、安全性に配慮するために、他の病気で既に使っている薬剤の中で、強皮症に効果がある薬剤を現在探しています。これまでに、免疫抑制薬であるシクロホスファミドが間質性肺炎に有効であること、肺高血圧症のお薬であるボセンタンが指の潰瘍に有効であることなどを明らかにしてきました。さらに、強皮症の皮膚硬化や肺の合併症に対するリハビリテーションのやり方もまとめて、患者さんの生活の質を向上させることを目指しています。

また、強皮症の患者さんが、強皮症を専門とする医療機関にすぐに受診することができるようにするために、研究班のホームページ上( 強皮症研究会議 )に、強皮症の診療医のリストを掲載し、どの医療機関を受診すれば良いかが分かるようにしました。