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稀少難治性皮膚疾患に関する調査研究

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1. 研究班の紹介

本研究班は、皮膚の遺伝性および自己免疫性水疱症の研究グループ「水疱症研究会」を母体として、皮膚難病である「天疱瘡」、「表皮水疱症」と「膿疱性乾癬」(いずれも受給対象疾患)の研究を目的に組織されました。研究対象疾患であった「水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症」に、他の魚鱗癬様紅皮症や魚鱗癬症候群を加えた「魚鱗癬様紅皮症」が新たな研究対象になりました。

2. これまでの主な研究成果

本研究班では、新知見を次々と発表し、世界の研究をリードしてきました。同時にわが国における病気の実態調査と治療法開発を続けてきました。

1) 天疱瘡: 病気を起こす天疱瘡抗体が、表皮角化細胞同士をつなぐ細胞接着因子(デスモグレイン)と結合し、表皮細胞結合が離れてバラバラになり(棘融解)、水疱形成をおこす病態を解明しました。遺伝子技術で作成したデスモグレイン分子を用いて、天疱瘡診断キットを開発しました。天疱瘡を発症するマウスモデルの樹立にも成功し、何種類かの天疱瘡関連モノクローナル抗体を得て、病因性を持つ抗体とそうでない抗体の解析から、天疱瘡の様々な病型の解析を進めています。さらに、抗体産生に関わるTリンパ球やBリンパ球の研究は、天疱瘡だけではなく自己免疫疾患発症に関わる根本的研究として期待されています。これらの病態解析をもとに、診断基準を提唱し、新たな治療指針の導入など、実際の治療に役立てています。

2) 先天性表皮水疱症: 遺伝性表皮水疱症のうち、「接合部型」と「栄養障害型」が受給対象疾患ですが、その他の病型についても研究を進めています。病気を起こす遺伝子解析と臨床病型の検討を進め、ケラチン蛋白、デスモゾーム・ヘミデスモゾーム構成蛋白、類天疱瘡抗原、インテグリン、ラミニン、Ⅶ型コラーゲンなど表皮角化細胞の骨格や接着に関わる蛋白の先天的異常を見出しました。代表的疾患ではマウスモデル作成にも成功し、そのマウスモデルを用いて遺伝子治療や骨髄幹細胞移植療法のシミュレーションを行い、効果と安全性を確認しています。さらに、再生医療として三次元培養表皮移植を臨床応用してきました。さらに、その方法を改良しつつ、遺伝子導入による治療を研究中です。

3) 膿疱性乾癬: 膿疱性乾癬患者の遺伝的背景の調査を進め、炎症反応に関わる細胞群と新しい炎症メディエーターを解析してきました。それらの成果をもとに診断基準と重症度分類を作成しました。診療ガイドラインを示し、TNFα阻害薬の安全使用についての指針を提示しました。

4) 魚鱗癬様紅皮症: 水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症についてはすでに全国調査を終了し、新たな研究対象疾患である病型について診断基準を作成し、第一次調査を実施中です。遺伝子異常についてのデータを集積しつつあり、同時に異常角化のメカニズムについての解析を進めています。

3. 研究班としてトピックス的な話題など

1) 診療ガイドラインは、日本皮膚科学会ホームページにも掲載されています。
http://www.dermatol.or.jp/