ウォルフヒルシュホーン症候群(平成21年度)

うぉるふひるしゅほーんしょうこうぐん
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1. 概要

4番染色体短腕に位置する遺伝子群の欠失により引き起こされる疾患であり、重度精神遅滞、成長障害、難治性てんかん、多発奇形を主徴とする。

2. 疫学

5万出生に1人、おそらく1,000人以下と推定。

3. 原因の解明

本症の一部では、染色体検査により4番染色体短腕に欠失があることが証明されるため、4番染色体短腕に位置する遺伝子群の半数不全 (haplo-insufficiency)が原因と考えられるが、どの遺伝子が本症のどの症状と関係しているかについては、まだ明らかにされていない。

4. 主な症状

特徴的顔貌、成長障害、重度精神遅滞、筋緊張低下、難治性てんかん、摂食障害

5. 主な合併症

頭部・顔面非対称、難聴、眼瞼下垂、視神経異常、歯牙異常、先天性心疾患、唇裂口蓋裂、性腺・腎尿路障害、脳形態異常、IgA欠損症、睡眠障害など

6. 主な治療法

精神遅滞: 運動発達、認知、言語、社会性の能力を伸ばすための訓練
けいれん: 抗けいれん薬(バルプロ酸、Ethosuximide、Diazepam等)
摂食障害: 摂食訓練、胃食道逆流症の場合は胃瘻造設、噴門部縮小術
その他の合併症: 通常どおりの治療・ケア

7. 研究班

ゲノムコピー数異常を伴う先天奇形症候群(ウォルフヒルシュホーン症候群を含む)の診断法の確立と患者数の把握に関する研究班