自己抗体や免疫担当細胞が、内耳に障害を与えることにより発生するめまい・難聴疾患。

約20,000人

原因は、自己抗体または内耳に障害を引き起こす免疫担当細胞のいずれかに関係があると考えられているが、いくつかの説がある。

1) 何らかの内耳障害によりサイトカインが誘導され、引き続き免疫応答が誘発され、さらに内耳が障害される。
2) ウイルスや細菌が内耳と共通抗原を共有するため、抗体またはT細胞が内耳を障害する。
3) 内耳抗原が何らかの原因で外部に漏れ出した場合、誤って内耳が異物として認識されたために障害される。
4) 免疫系の遺伝素因により内耳障害を起こしやすくなっている。

1) 蝸牛症状
典型例は耳鳴を伴う進行性感音難聴であるが、変動性や両側性のこともある。
2) 前庭症状
約半数に何らかの平衡障害をともなう。

その他の自己免疫疾患を合併したり、他の自己免疫疾患の症状の一部であることがある。

第一選択としては、ステロイドホルモンが使用される。ステロイド無効および抵抗例に対しては免疫抑制剤が使用される。そのほかの治療法としては、抗腫瘍壊死因子、抗悪性治療薬、血漿交換療法が報告されている。

自己免疫性内耳障害の実態把握のための多施設研究班