前眼部形成異常(指定難病328)

ぜんがんぶけいせいいじょう

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

将来、どのぐらい見えますか?

前眼部形成異常では角膜の混濁の程度と病気が片眼か両眼かによって、視機能の予後は大きく異なります。両眼性の場合が3/4と多いです。片眼だけの場合には、健常な方の眼を使ってほぼ普通通りの生活を送ることができます。
前眼部形成異常が存在する眼の視力は一般に良くなく、35%が矯正視力0.1以下、75%が矯正視力0.4以下です。両眼性の場合では多くの場合、視覚障害児の認定を受けることになります。ただし、小さい頃に将来の視力を推測するのは難しく、大きくなってから当初の予想以上の視力が得られることもあります。

眼鏡をかけたら見えますか?

前眼部形成異常での視力障害には、角膜の濁りそのものによる要因と、角膜の濁りのために視力が育たない弱視の要因が重なっています。角膜の濁りが強い場合には、眼鏡による視力矯正は難しいことがほとんどです。角膜の濁りがあまり強くない場合には、弱視の治療として眼鏡をかけることや、良い方の眼に絆創膏(アイパッチ)をはることがあります。
眼鏡による視力矯正は難しい場合がほとんどです。

他の前眼部形成異常のお子さんは点眼をしたり、眼鏡をかけたりしていますが、治療方針が違いますが、なぜですか?

前眼部形成異常には様々な病型があり、角膜の混濁の程度と病気が片眼か両眼か、年齢によっても、治療法が違ってくることがあります。緑内障を生じた場合などは点眼による眼圧コントロールなどが必要になることもあります。

 

 

情報提供者
研究班名前眼部難病の診療ガイドライン作成および普及・啓発の研究班
研究班名簿 
情報更新日令和5年1月(名簿更新:令和5年6月)