巨大リンパ管奇形(頚部顔面病変)(指定難病278)

きょだいりんぱかんきけい(けいぶがんめんびょうへん)
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

リンパ管奇形とリンパ管腫は同じですか?

同じ病気です。
この病気はリンパ管腫と呼ばれていましたが、最近、腫瘍を連想させる「腫」という字が病気の性質を誤って伝える可能性があるためこれを避けて、リンパ管奇形(英語ではlymphatic malformation、malformationは日本語で奇形、形成異常と訳されます)と呼ぶことが多くなっています。現在は両方の病名が使用されており、どちらも誤りではありません。

内科的治療と硬化療法と切除はどれを先に受けるべきですか?

場合により異なり、一律には決められません。担当の医師と良く話し合うことが必要です。
通常、硬化療法を先行し、縮小の限界に達したときに切除療法を加えることが多いのですが、病変のサイズや分布によって切除のリスクがあまりなく、全摘が期待される場合には積極的に切除をすることもあります。内科的治療の薬剤も症例によっては効果的である可能性もあります。個々の患者さんにより大きく異なるため、それぞれの画像検査の結果に基づいて治療戦略が立てられます。担当の先生と良く話し合うことが重要です。

次に生まれる兄弟も同じ病気を持っている可能性はありますか?

遺伝性は無いと考えられており、兄弟に発生する可能性は極めて低く(他の子に発生する可能性と同じ)、あまり考えなくて良いと思われます。

シロリムス(ラパマイシン)の内服療法は有効で安全ですか?

その有効性と安全性が医師主導治験及び臨床研究により検証され、国の承認を受けて難治性リンパ管奇形(リンパ管腫)に対して保険診療での治療薬として使用できるようになりました。
副作用を認めることは知られており、またすべての患者さんに有効であるかどうかは分かっていません。今後も検証が必要です。詳細はこの分野の専門家の医師にご相談ください。

 

情報提供者
研究班名 難治性血管腫・脈管奇形・血管奇形・リンパ管奇形(リンパ管腫)・リンパ管腫症および関連疾患についての調査研究班
研究班名簿 研究班ホームページ
情報更新日 令和5年11月(名簿更新:令和5年6月)