ミオクロニー欠神てんかん(指定難病142)
1. 「ミオクロニー欠神」とはどのような病気ですか
ミオクロニー欠神発作というてんかん発作が主としてみられる病気です。てんかんの発病は生後11ヵ月~12歳6ヵ月で平均7歳です。
2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
まれなてんかんで、正確な患者さんの数や発症率、罹患率は不明ですが、日本で100人未満と考えられます。
3. この病気はどのような人に多いのですか
男性がやや多いという報告があります。ほとんどの場合、このてんかん以外の疾患は有していませんが、早産、周産期障害、14番染色体長腕部分トリソミー、12番染色体短腕トリソミー、アンジェルマン症候群、15番染色体逆位重複などをもっている患者さんにこのてんかんが合併していたという報告があります。
4. この病気の原因はわかっているのですか
全ての患者さんに共通する原因は明らかになっていません。
5. この病気は遺伝するのですか
てんかんの家族歴は約20%の人にみられますが、現在のところ、同じてんかんが遺伝したという報告はありません。
6. この病気ではどのような症状がおきますか
肩や上肢に強い律動的なぴくつきが目立つミオクロニー欠神発作というてんかん発作を認めます。ぴくつきを繰り返すにつれて、次第に腕が上がっていきます。発作中はさまざまな程度に意識が障害されます。発作は10~60秒ほど持続し、頻度は日に数回からしばしば数十回におよびます。その他、全身のけいれんを伴うことがあります。
7. この病気にはどのような治療法がありますか
てんかん発作に対して抗てんかん薬を使います。バルプロ酸単剤あるいはエトスクシミドなどを組み合わせて内服します。その他の抗てんかん薬も有用であったという報告があります。
8. この病気はどういう経過をたどるのですか
Tassinari らの報告では、37.5%で発作は止まっていました。全身けいれんがみられる方ではみられない方と比べると発作が止まりにくく、重症度も高いという報告があります。知的障がいの程度やてんかん以外の症状については、このてんかん以外の疾患があるかどうかによっても異なります。
9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか
規則正しい服薬と規則正しい日常生活をこころがけましょう。
10. 次の病名はこの病気の別名又はこの病気に含まれる、あるいは深く関連する病名です。 ただし、これらの病気(病名)であっても医療費助成の対象とならないこともありますので、主治医に相談してください。
該当する病名はありません。
11. この病気に関する資料・関連リンク
てんかん専門医施設
http://square.umin.ac.jp/jes/senmon/senmon-list.html