大田原症候群(指定難病146)

おおたはらしょうこうぐん
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

1. 「大田原症候群」とはどのような病気ですか

新生児期から乳児期早期(生後3カ月以内)に発症する重症のてんかんです。「点頭発作」(正式にはてんかん性スパズム)というピクッとする動きの発作を繰り返し、脳波では特徴的なサプレッション・バーストというパターンを認めます。治療が難しく発達が遅れます。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

極めてまれで、日本全体でも500人未満と推測されます。

3. この病気はどのような人に多いのですか

様々な種類の脳障害でこの病気を起こしますが、特に脳形成異常のある例が多いことが分っています。

4. この病気の原因はわかっているのですか

一部の例では遺伝子 変異 が原因になることが分かっています。

5. この病気は遺伝するのですか

通常は遺伝しません。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

この病気で認める発作は四肢や頭部がピクッと動く短いもので、しばしば数秒から数十秒の間隔で繰り返します。覚醒時に起こることも睡眠中に起こることもあります。別の種類の発作、例えば体の一部や全体がけいれんしたり動作が止まるような発作を合併することもあります。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

まず各種の抗てんかん薬を内服する治療を行いますが、薬が効きにくいことが多いです。脳形成異常などが原因で手術が可能な例では、早期の外科治療が勧められます。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

発作が抑制できなければ月齢が進むとともに、点頭てんかんやレノックス・ガストー症候群あるいは焦点てんかんなど他のタイプのてんかんに変化します。知的な面でも運動でも発達が遅れます。

9. この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか

他のタイプのてんかんと同様に、規則正しい服薬と発作などの症状の観察が必要です。

10. 次の病名はこの病気の別名又はこの病気に含まれる、あるいは深く関連する病名です。 ただし、これらの病気(病名)であっても医療費助成の対象とならないこともありますので、主治医に相談してください。

早期乳児発達性てんかん性脳症

11.  この病気に関する資料・関連リンク

一般の方に向いた特別な資料はありません。小児神経専門医のいる施設は
https://www.childneuro.jp/modules/general/index.php?content_id=3
てんかん専門医のいる主な診療施設は
http://square.umin.ac.jp/jes/senmon/senmon-shisetu.html
をご覧下さい。

 

情報提供者
研究班名 稀少てんかんの診療指針と包括医療の研究班
研究班名簿 研究班ホームページ
情報更新日 令和4年12月(名簿更新:令和5年6月)