下垂体前葉機能低下症(指定難病78)

かすいたいぜんようきのうていかしょう

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

成長ホルモンとして内服薬や点鼻薬がインターネット通販で宣伝されていますが、本当に有効なのでしょうか。

成長ホルモン (GH) は分子量の大きな蛋白ホルモンですので、飲み薬として内服すれば胃や腸で分解され、また点鼻で投与してもほとんど吸収されません。主治医の指示に従い、適切な量を毎日自己注射する現在の方法が、唯一の有効な治療法です。

ステロイドは副作用の多い危険な薬であるという話を耳にしますが、長期間飲み続けていても大丈夫でしょうか。また一度飲みだしたら止められないのでしょうか。

下垂体前葉機能低下症の患者さんに用いるステロイド(ヒドロコルチゾン)は、健康人の血液の中に存在するホルモンと同じもので、欠乏しているホルモンを補っているにすぎません。内服することにより健康人と同じレベルのホルモンを保っている訳ですから、服用中のホルモン量が適切である限り、副作用の心配はありません。しかしながら下垂体の機能が回復しない限り、内服は生涯続けることになります。

発熱やストレス時にはヒドロコルチゾン(コートリル)を多めに服用するよう指示されていますが、具体的にはどのようにすればよいのでしょうか。

具体的な方法は、主治医の先生に御確認ください。一般的には、37.5℃以上の発熱で通常量の2倍、38℃以上で3倍程度を内服しておくことが無難です。なお試験などの精神的ストレスでは増量は不要とされています。

ストレスの大きな検査(内視鏡など)や手術を受ける際は、ステロイド補充療法中であることを該当の主治医に必ず申告してください。場合によっては注射によるステロイド補充が必要となることもあります。

ステロイドカードはどのようにして入手できるのでしょうか。

内分泌の専門医外来には準備されているところが多いようです。主治医の先生に相談してください。

ヒドロコルチゾン(コートリル)と甲状腺ホルモン剤を内服中ですが、風邪薬や胃腸薬など他の薬剤と一緒に飲んでも大丈夫でしょうか。

一般的な薬の短期間の服用は問題のないことが多いです。しかし抗結核薬(リファンピシン)や抗痙攣薬はヒドロコルチゾンの作用を弱める可能性があります。他の病気で長期間薬を内服する場合は、主治医に相談しておくことをお勧めします。

下垂体機能低下症でプロラクチン分泌も障害されていると言われましたが、健康に支障はないのでしょうか。

プロラクチンは女性の乳汁産生に重要なホルモンですが、それ以外の作用はほとんどありません。従って補充療法は不要ですし、実際世界的にも行われていません。

公的医療助成を申請したいのですが、どのようにすればよいのでしょうか。

下垂体機能低下症は、欠乏するホルモンの種類ごとに複数の病気があり、また軽症から重症まで幅の広い病気です。このため公的医療助成を受けられるか否かは、病気の種類や重症度を考慮して設定された認定基準により判定されます。詳しくは主治医ないし専門医にお尋ねください。もし該当する場合には、申請手続きは地方自治体が担当しています。各都道府県の相談窓口にご相談ください。多くの場合、保健所で申請用紙を入手し、治療を受けている病院で主治医に必要事項を記入してもらったうえで、改めて自治体に提出し、審査を受けることになります。

情報提供者
研究班名間脳下垂体機能障害に関する調査研究班
研究班名簿 
情報更新日令和2年8月