好酸球性消化管疾患(指定難病98)

こうさんきゅうせいしょうかかんしっかん

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

どんな症状があった時にこの病気を疑いますか?

好酸球性食道炎は小学校高学年以降の小児や成人では食べ物のつかえ感で分かることがありますが、もっと低年齢の小児では哺乳が上手くできないことや嘔吐、腹痛が最初の症状であることもあります。好酸球性胃腸炎では胃腸症状がある方が血液検査を受けた時に血液の中の好酸球の数がとても多くなっている場合に疑われます。ある決まった食べ物を食べたときに調子が悪くなりやすいことを訴えられてこの病気がわかることもあります。

遺伝的な要因の関与はありますか?

この疾患の患者さんの数が最近増加してきており、環境や食生活の変化がその原因だろうと考えられています。つまり 好酸球性消化管疾患の原因の重要な部分は環境因子だと考えられています。ただ 一部には遺伝的な要因も関係しており遺伝的な因子の関与は全体の2割ぐらいだと考えられています。

内視鏡検査は定期的に必要ですか?

好酸球性食道炎も好酸球性胃腸炎どちらも、診断のための内視鏡検査は必ず行わなければなりません。また治療の効果をみるため、再燃していないかを判断するのに、ある程度定期的な内視鏡検査が必要です。しかし小児では検査が出来る施設が限られていたり、全身麻酔が必要だったりするといった問題で頻回には行えないことが多いです。

お酒は飲んでもいいですか?

好酸球性食道炎でも好酸球性胃腸炎でも お酒を飲むと悪くなるというはっきりとした報告はありません。ただ、お酒を飲むと胃や腸が傷つきやすくなることがありますので、やはりお酒はほどほどにした方が良いだろうと思われます。

薬で症状はよくなっているのですがいつまで薬を飲まないといけませんか

好酸球性食道炎では症状が落ち着いて食道の傷も治った後で薬をやめても1年以内に再発してしまう患者さんが半数以上おられることが分かっています。また、好酸球性胃腸炎では薬を使用してよくなっても、内服を中止すると再発する方が半数程度はおられます。このため 症状がよくなっても長期間薬の内服を続ける必要がある方がたくさんおられます。いつ薬の内服をやめることができるかは症状や検査結果を見ながら担当の先生と相談が必要です。

この病気は治りますか?

軽症の方では症状を繰り返さないこともありますが、好酸球性食道炎も好酸球性胃腸炎どちらも一般的には慢性的な病気でしばしば再燃します。薬の内服を中止した後や、食べないようにしていた食べ物を食べ始めて再燃してくることもあります。

用語解説
1. 好酸球
血液中からアレルギー反応が起こるとその部位に集まって炎症を起こす白血球です。気管支喘息やアレルギー性鼻炎などでもこの病気と同じようにアレルギーが起こっている部位に集まって炎症を起こしています。

2. アレルゲン
アレルギー疾患を持っている人にアレルギー症状を引き起こす原因となる物質のことです。一般にアレルギー反応に関係しているIgE(免疫グロブリンE)という抗体とひっつく抗原を意味します。

3. プロトンポンプ阻害薬
胃の酸を減らす薬で、胃潰瘍や逆流性食道炎の治療に使われます。好酸球性食道炎の患者さんの一部がこの薬剤の内服で食道の傷が治り、症状が良くなります。

4. ステロイドホルモン
人の副腎皮質でも作られる副腎皮質ホルモンで炎症を軽くしたりアレルギー反応を抑えたりする働きがあります。たくさんの量を長期間使用すると感染や糖尿病などの合併症が起こりやすくなる場合があります。


情報提供者
研究班名乳児~成人の好酸球性消化管疾患、良質な医療の確保を目指す診療提供体制構築のための研究班
研究班名簿 
情報更新日令和2年8月