クッシング病(下垂体性ACTH分泌亢進症)(指定難病75)

くっしんぐびょう(かすいたいせいACTHぶんぴこうしんしょう)

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

どのような時にこの病気を疑えば良いですか

食欲がやたらと亢進、体重が急に増加傾向、顔が丸くなったり腹部が出てきた、にきびが増えた、ぶつけた記憶がないのに皮下出血が多くなった、簡単に骨折をした、不眠症になった、うつうつするようになった、足の力なくなってつかまらないと立てなくなった、年齢の割に血圧が上がりだした、血糖値が高くなった等の症状が複数見られるようであれば、クッシング症候群を疑います。

どのような医療機関を受診すれば良いですか

内科診療所、総合病院の内分泌内科や脳神経外科を受診して相談してください。

手術はどのようなところで行えば良いですか

クッシング病の場合は下垂体腺腫が小さい、腫瘍の存在する箇所を同定することが難しい、手術のみが完治を期待できる治療法であることなどから、大変高度な技術を必要とします。そのため手術は経験の多い施設で行うことをお薦めします。

この病気をほっておいたらどうなりますか

高血圧症や糖尿病を高率に合併し、心血管疾患(心筋梗塞や狭心症)や脳血管障害(脳梗塞や脳出血)をしばしば発症します。心不全も高率に見られます。骨粗鬆症のため椎体骨折(脊椎の圧迫骨折)を発症し、日常生活に支障を来しやすくなります。さらに高度の場合には、免疫力の低下のため重症感染症(敗血症)となり、死に至ることもあります。未治療のまま経過すると、腫瘍は良性にも関わらず、極めて重篤な経過をたどる可能性があります。

手術後のステロイドの補充の注意点は何ですか

クッシング病によって生じる高コルチゾール血症のため、正常下垂体部分のACTH産生能は抑制されます。そこで、手術が成功し下垂体腺腫が摘出されると、逆にACTH低下症とそれに引き続いてコルチゾール低下症となります。その結果、健常者が1日に産生する同量程度のステロイド補充が必要となります。補充開始後ステロイドを徐々に減量し、1年〜2年程度かけてステロイドを中止します。その間、倦怠感や関節痛を生じますが、ステロイド減量を急ぐとこれらの症状が強くなり、生活の質が著しく悪化しますので、慎重に行う必要があります。

情報提供者
研究班名間脳下垂体機能障害に関する調査研究班
研究班名簿 
情報更新日令和元年6月