原発性免疫不全症候群(指定難病65)

げんぱつせいめんえきふぜんしょうこうぐん
 

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

どんなときに疑いますか?

原発性 免疫不全症候群を疑う10の徴候をご覧下さい。
(小児版:/pdf/031_poster.pdf
成人版:/pdf/10warning-AdultPID2015.pdf

診療はどこで受けたらいいですか?

まれな疾患ですので、できれば専門の施設で診療を受けることが望ましいです。 専門施設は日本免疫不全・自己炎症学会(Japanese Society for Immunodeficiency and Autoinflammatory Diseases, JSIAD)のホームページ内にJSIAD連携施設として掲載されています(https://www.jsiad.org/pidj/)。
また、JSIADではホームページで症例相談を受け付けています。一般医が専門医の助言を求めることができます。Web siteは、https://www.jsiad.org/consultation/です。

確定診断には遺伝子解析が必要と聞きますが、どこで受けられますか?

遺伝子診断が可能な専門施設は遺伝専門医がいる施設に限られ、日本免疫不全・自己炎症学会(Japanese Society for Immunodeficiency and Autoinflammatory Diseases, JSIAD)のホームページ内にJSIAD連携施設として掲載されています(https://www.jsiad.org/pidj/)。
こうした専門施設などから、かずさDNA研究所のかずさ遺伝子検査室で遺伝子検査が可能です。また、JSIADが遺伝子検査について、検査の出し方や検査結果の読み方などについてアドバイスしています。ホームページの症例相談から相談できます(医師限定)。
原因遺伝子が発見されていない原発性免疫不全症の病型も多数あります。こうした病型については、診断の手引き (https://www.shouman.jp/disease/search/group/list/10/免疫疾患) を参考にして臨床的に診断され、適切な治療が行われます。
18歳未満の原発性免疫不全症の患者さんは、小児慢性特定疾病対策事業の対象になりますので、 認定されれば医療費助成の対象となります(https://www.shouman.jp/patient/)。
18歳以上の原発性免疫不全症の患者さんは、指定難病の対象になりますので、 認定されれば医療費助成の対象となります(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000062437.html)。

根治療法はありますか?

重症あるいは長期の 生命予後 の悪い病型では、 造血細胞 移植(骨髄移植や 臍帯血 移植)が古くから行われています。対象となる病型かどうかは、主治医にご相談ください。最近では、造血細胞に対する遺伝子治療による根治療法も研究段階ですが行われ始めていますが、国内ではまだ実施されていません。

患者会はありますか?

NPO法人 PIDつばさの会があります(http://npo-pidtsubasa.org)。 ホームページや会報Wingによる情報発信に加え、総会・情報交換会を年1回開き、医療講演会・医療相談会を各地域で行っています。

大人になったら結婚できますか?

治療法の進歩により、多くの患者さんで成人まで普通の生活を送られるようになっており、結婚・出産されている患者さんもたくさんおられます。

X連鎖無ガンマグロブリン血症ですが生まれてくる子どもは心配ないですか?

あなたのお子さんは無ガンマグロブリン血症になることはありません。ただし、お子さんが女児の場合、「保因者」になりますので、残念ながら男のお孫さんは半分の確率で病気になります。原発性免疫不全症の大部分は遺伝性の疾患ですが、その遺伝形式は、原因遺伝子によって、さまざまです。詳しくは、主治医にご相談するか、お近くの病院の遺伝子医療部門(http://www.idenshiiryoubumon.org/list/index.html) にご相談下さい。

遺伝性血管性浮腫とはどんな病気でしょうか?

遺伝性血管性浮腫とは唇、まぶたなどの顔や手足をはじめ、全身のいろいろな部分が繰り返し腫れる(浮腫(ふしゅ)といいます)病気です。胃や腸が腫れると激しい腹痛や嘔吐が生じます。またのどが腫れると息苦しくなったり、窒息することがあるので注意が必要です。朝起きたら唇が腫れていたというように、浮腫発作は突然はじまりますが、長くても1週間で落ち着き、元通りになります。治療薬もありますが、浮腫発作後の早期に投与することが重症化を防ぐポイントです。 補体C1インヒビターの遺伝子異常が原因であることが多いのですが、近年そのほかの原因遺伝子も報告されています。原発性免疫不全症候群のなかでは、「先天性補体欠損症」の項目に分類されています。治療や予防可能なものもありますので、早期診断が重要です。

 

情報提供者
研究班名 原発性免疫不全症候群の改訂診療ガイドライン、診療提供体制・移行医療体制構築、データベースの確立に関する研究班
研究班名簿 
情報更新日 令和5年11月(名簿更新:令和5年6月)
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