その他分野|反復胞状奇胎(平成22年度)

はんぷくほうじょうきたい
研究班名簿 一覧へ戻る

1. 概要

通常の全胞状奇胎は、雄核発生により父親由来ゲノムのみを有する。一 方、海外の反復する全胞状奇胎(反復胞状奇胎)症例の解析から、反復胞状奇胎には、1)正常二倍体、2)DNAメチル化異常、3)母体のNALP7遺伝子 変異、等の特徴が認められ、通常の全胞状奇胎とは極めて異なる病因・病態を有する事が明らかになった。本邦症例の解析例は報告されていない。

2. 疫学

発生頻度は不明であるが、本邦の全胞状奇胎発生率と反復率の報告を参考にすると、年間50例弱程度の反復症例が存在していると推定される。

3. 原因

海外症例の報告では、母体NALP7遺伝子変異との関連が報告されている。

4. 症状

反復する胞状奇胎の他、特異な症状の有無は未だ解析されていない。

5. 合併症

通常の全胞状奇胎妊娠と区別されずに診断と治療が行われているため、本疾患特異的な合併症は不明である。

6. 治療法

通常の胞状奇胎妊娠と区別されずに診断と治療が行われているが、本研究により明確な分子診断法が確立し、合併症や予後が明らかとなれば、より適切な治療法の選択が可能となる。

7. 研究班

本邦における反復胞状奇胎症例の実態把握と確定診断法の開発研究班