ターナー症候群(TS)(平成21年度)

たーなーしょうこうぐん
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1. 概要

ターナー症候群(TS)は、X染色体の全体または一部の欠失に起因した疾患の総称である。性腺機能不全を主病態としている。

2. 疫学

約40,000人、女性のみ

3. 原因の解明

X染色体の数的・構造的異常が原因であると考えられているが、発症に至るメカニズムについては不明な部分が多い。X染色体の全領域または部分的な不均衡によって、遺伝子発現量が低下することが原因であると考えられる。

4. 主な症状

低身長、特徴的身体兆候、卵巣機能不全による二次性徴、月経異常などが挙げられる。性腺機能不全を主病態とするため、不妊となる場合が多い。

5. 主な合併症

骨粗鬆症、糖尿病、甲状腺機能障害、大動脈縮窄症や僧帽弁逸脱、大動脈二尖弁などの心・血管系障害、馬蹄腎などの腎・腎血管系の奇形が認められる。

6. 主な治療法

TSにおける低身長に対しては、成長ホルモンの補充療法が有効である。一方、卵巣機能不全に対しては、健常女性の思春期来発年齢を指標にして、女性ホルモンの補充療法を開始、その後女性ホルモン補充療法を継続する。なお、不妊に対する根本的治療法は存在しない。

7. 研究班

クラインフェルター症候群およびターナー症候群の臨床病態・治療プログラムの検討と発症機構解明による診断法の開発班