先天性両側小耳症・外耳道閉鎖(両側伝音難聴)(平成21年度)

りょうそくしょうじしょう・がいじどうへいさ(りょうそくでんおんなんちょう)
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1. 概要

原因不明であるが、健康な両親よりsporadicに両側の耳介が欠損し、両側の外耳道も欠損したまま生まれる。伝音難聴を呈す る。Treacer Collins症候群のみが原因がわかっている。放置すると、言語発達の遅れ、コミュニケーション障害を伴う。両側小耳症による劣等感を抱き、精神的に内 向する。

2. 疫学

毎年10~20名と推定される。

3. 原因

両側小耳症を呈する疾患の中で、遺伝子の異常が見出されているのはTreacher Collins症候群のみである。本研究では非症候群性の両側小耳症・外耳道閉鎖が症候群性のものと同じ遺伝子によるものか解明する。

4. 症状

1. 両側小耳症(重症度はMarxによるⅠ~Ⅲに分類される)
2. 両側外耳道閉鎖症(大多数が骨部外耳道閉鎖。一部に軟部外耳道閉鎖がある)
3. 伝音難聴

5. 合併症

1. 顔面神経麻痺
2. 小顎症
3. 口蓋裂
4. 頬骨低形成
5. 咀嚼・嚥下障害

6. 主な治療法

1. 手術年齢までに難聴に対して片側、あるいは両側骨導補聴器を使用し、聴覚補償を行う。
2. 両側耳介・外耳道形成を実施する。
3. 術後、気導式あるいは新に骨導式耳あな型補聴器を装用させて聴覚保障を行う。

7. 研究班

先天性両側小耳症・外耳道閉鎖疾患に対する、良い耳介形成・鼓膜・鼓室形成術の開発と両耳聴実現のためのチーム医療班