後天性血友病ⅩⅢ(平成21年度)

こうてんせいけつゆうびょうⅩⅢ
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1. 概要

凝固ⅩⅢ因子が後天的に著しく減少するため、止血のための血栓が弱くなって容易に分解されるので、自発的に、あるいは軽度の打撲などの誘因によって重篤な出血症状を呈する疾患。

2. 疫学

不明(約100人/年以上と推測)

3. 原因の解明

症例の半数は、凝固ⅩⅢ因子に対する自己抗体(インヒビター)による。残りの半数は原因不明。

4. 主な症状

一般検査の凝固時間(PT、aPTTなど)の延長や血小板数の減少が見られない原因不明の出血。筋肉内、皮下出血が多いが、身体のどの部位にでも出血し得る。

5. 主な合併症

出血する部位によって様々な合併症が起こり得る。特に頭蓋内出血では神経系に、胸腔内では循環系に重大な障害を起こし、致命的となる場合もある。

6. 主な治療法

急性期には、出血を止めるための濃縮ⅩⅢ因子製剤による補充療法が不可欠であるが、インヒビター例では、投与したⅩⅢ因子活性が中和されるため止血を達成することは容易ではない。さらに、免疫抑制剤で自己抗体の産生を阻止する必要がある。

7. 研究班

後天性血友病ⅩⅢの実態調査、発症機序の解明と治療方法の開発班