血液・凝固系疾患分野|Epstein症候群(エプスシュタイン症候群)(平成24年度)

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1. 概要

エプスシュタイン症候群は、1)巨大血小板性血小板減少症、2)進行性腎機能障害、3)難聴を合併する遺伝性疾患である。腎機能腎障害は進行性であり、症例により思春期にすでに末期腎不全に至るものもある。難聴(症例によっては完全な聴力消失)を伴うため、QOLは著しく損なわれ、また血小板減少があることから、血液透析や手術なども困難を極める難治性疾患である。

2. 疫学

約200名と推定されている。

3. 原因

本邦の國島らにより、エプスシュタイン症候群が非筋性ミオシン重鎖2A(MYH9遺伝子によりコードされる)異常によることが明らかにされている。MYH9遺伝子の特定領域の変異によりエプスシュタイン症候群を発症することがある程度判明しつつある。

4. 症状

1)巨大血小板性血小板減少症
2)進行性腎機能障害(進行が早いものでは思春期に末期腎不全にいたる)
3)難聴(進行が早いものは20歳台で完全に聴力を失う)

5. 合併症

出血傾向にともなう種々の合併症があり、腎不全に対する治療(透析、移植)が困難となることがしばしばある。

6. 治療法

エプスシュタイン症候群に対しての確立された治療法はない。一方、研究班の関根らは、数名でのパイロット研究からアンジオテンシン受容体拮抗薬のタンパク尿減少効果を確認し、また腎機能障害の進展を遅延させることも確認している。

7. 研究班

腎・泌尿器系の希少難治性疾患群に関する調査研究班