免疫系疾患分野|家族性地中海熱(平成24年度)

かぞくせいちちゅうかいねつ
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1. 概要

その名の通り地中海沿岸のユダヤ系民族を中心に、トルコ、アルメニア、アラブの人々に多発する周期性発熱症候群であり、発熱時間が6~96時間と比較的短く、漿膜の無菌性炎症による腹痛・胸痛・関節痛を伴う事を特徴とします。

2. 疫学

本邦でおよそ500人の患者の存在が推定されています。

3. 原因

国際家族性地中海熱研究会の詳細な連鎖解析により、責任遺伝子としてMEFV(Familial Mediterranean Fever gene)遺伝子が同定されました。本疾患は常染色体劣性遺伝形式をとり、患者は原則的に変異型MEFVのホモ接合体もしくは複合ヘテロ接合体となりますが、臨床的に家族性地中海熱と診断されてもMEFV遺伝子に変異を認めない例や、優性遺伝形式と思われる遺伝形式を呈する家系も報告されています。MEFV遺伝子のコードする蛋白であるパイリン(pyrin)の機能異常が病態に関係している事が示唆されていますが、詳細な原因は不明です。

4. 症状

殆どの症例で38℃以上の周期性発熱を認め、副症状として胸膜炎、腹膜炎及び関節炎が認められます。頻度は低いものの、漿膜の炎症として心膜炎や精巣漿膜炎、足関節周囲や足背に丹毒様紅斑を認める事があります。稀に無菌性の髄膜炎を発症する場合もあります。

5. 合併症

わが国での頻度は低いものの、反復する炎症により、2次性のアミロイドーシスを合併する事があります。

6. 治療法

コルヒチンが有効で、8割以上の患者で症状の改善が認められます。

7. 研究班

「自己炎症疾患とその類縁疾患に対する新規診療基盤の確立」研究班