奇形症候群分野|症候性頭蓋縫合早期癒合症(クルーゾン/アペール/ファイファー/アントレー・ビクスラー症候群)(平成23年度)

しょうこうせいずがいほうこうそうきゆごうしょう
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1. 概要

症候性頭蓋縫合早期癒合症は大項目であり、代表する疾患はクルーゾン/アペール/ファイファー/アントレー・ビクスラー症候群である。各疾患は、多彩ではあるが類似の症状を呈し、中でも顔面低形成が原因となる睡眠時無呼吸は時に致死的である。

2. 疫学

約6万人から18万人に1人出生。本邦での患者数は不明。

3. 原因

疾患ごとに責任遺伝子が判明している。
クルーゾン症候群:責任遺伝子座:10q25-q26 責任遺伝子:ほとんとがFGFR2のIgⅢa/cドメイン(エクソン7-9)に集中している。
アペール症候群:責任遺伝子座:10q25-q26 責任遺伝子:約5つの FGFR2変異が報告されているが、IgⅡドメインの変異Ser252Tryが2/3、IgⅢドメインの変異Pro253Argが約1/3に認められ、他の変異はまれである。
ファイファー症候群:責任遺伝子座:8p11.2-p11.1(FGFR1), 10q25-q26(FGFR2) 責任遺伝子:FGFR 1の変異Pro252Arg、FGFR2ではIgⅢドメイン(エクソン7-9)に集中している。
アントレービクスラー症候群:遺伝子座:7q11.2 責任遺伝子:POR(Cytochrome P450 oxidoreductase)

4. 症状

顔面低形成による睡眠時無呼吸、頭蓋縫合早期癒合、水頭症、Chiari奇形、環軸椎脱臼、脊髄空洞症、外耳道閉鎖・狭窄

5. 合併症

閉塞性呼吸障害、感染

6. 治療法

外科的治療(顔面骨延長術、頭蓋骨形成術、気管切開術など)

7. 研究班

症候性頭蓋縫合早期癒合症(クルーゾン/アペール/ファイファー/アントレー・ビクスラー症候群)の治療指針の作成および新規治療法の開発研究班