奇形症候群|歌舞伎症候群(平成23年度)

かぶきしょうこうぐん
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1. 概要

特異な顔貌を特徴とし、精神発達遅滞・その他の様々な奇形をともなう疾患。1981年に日本から最初に報告された。患者の切れ長の目をもつ顔貌が歌舞伎役者の隈取に似ることから命名。

2. 疫学

国内外から約400例の報告例がある。推定罹病率は1/32,000とされ、日本で約3,000人。ほとんどが弧発例で家族例は極く少数。

3. 原因

現在全く不明。何らかの遺伝子異常が強く疑われ、治療および症状緩和への手がかり発見のために、世界的に遺伝子解明への研究が進められている。

4. 症状

切れ長の眼瞼裂で下眼瞼外側1/3が外反している。大きく張った耳介、つぶれた鼻尖部、口蓋裂、下口唇瘻孔などの特異顔貌、多くは成長障害による中程度の低身長と軽度〜中程度の精神発達遅滞をもつ。

5. 合併症

指先の隆起、脊椎矢状裂・脊柱側湾などの骨格異常、関節過伸展、種々の内臓奇形、易感染性。内分泌異常を疑わせる思春期早発症。

6. 治療法

根本的治療法はない。上記症状に対する対症療法。

7. 研究班

ゲノム異常症としての歌舞伎症候群原因遺伝子同定と遺伝子に基づく成長障害治療可能性の研究開発班