循環器系疾患分野|中性脂肪蓄積心筋血管症(平成23年度)

ちゅうせいしぼうちくせきしんきんけっかんしょう
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1. 概要

2008年、我が国の心臓移植症例より見出された新規疾患単位であり、心筋、冠動脈に中性脂肪が蓄積することによって重症心不全、不整脈、虚血性心疾患などを呈する難病である。心臓外症状として、骨格筋ミオパチー、腎不全を呈する症例も存在する。

2. 疫学

不明。我が国において、4-5万人程度と推定している。

3. 原因

原発性中性脂肪蓄積心筋血管症の原因として、adipose triglyceride lipaseの遺伝的欠損が明らかになっている。二次性として、様々な代謝異常に伴うものの存在が推定される。

4. 症状

動悸、息切れ、呼吸困難、全身倦怠感などの心不全症状、不整脈の症状を生じる。骨格筋障害のある例では、手足の脱力、歩行困難など。

5. 合併症

重症心不全、虚血性心疾患、骨格筋ミオパチー、腎不全など。

6. 治療法

現在のところ、不整脈、心不全、虚血性心疾患、ミオパチーに対する対症療法。重症心不全例では心臓移植など。尚、研究班では原発性中性脂肪蓄積心筋血管症に対して中鎖脂肪酸による食事療法を開発して、その効果を検討中である

7. 研究班

中性脂肪蓄積心筋血管症の発見 –その疾患概念の確立、診断法、治療法の開発研究班
原発性中性脂肪蓄積心筋血管症に対する医師主導型治験へのアプローチ研究班