難病情報センター
HOME >> 診断・治療指針 >> ライソゾーム病 (1)ライソゾーム病(ファブリー病を除く)
医療機関情報 患者団体情報

ライソゾーム病らいそぞーむびょう(公費対象)
(1)ライソゾーム病(ファブリー病を除く)らいそぞーむびょう(ふぁぶりーびょうをのぞく)

研究班名簿認定基準臨床調査個人票word臨床調査個人票
word臨床調査個人票(別表)

特定疾患情報
(一般利用者向け)

診断・治療指針
(医療従事者向け)

FAQ
(よくある質問と回答)

■定義

ライソゾームは種々の加水分解酵素を有し消化分解機能をつかさどる。ライソゾーム病はライソゾーム内の加水分解酵素の先天性欠損により代謝されるべき中間代謝産物がライソゾーム内に蓄積し,種々の症状を呈する症患群である。脂質蓄積症,ムコ多糖症、糖原病、糖蛋白蓄積症などがある。酵素蛋白あるいは酵素の機能発現に必要な蛋白の遺伝子変異によって起こる。多くは乳幼児期に発症するが,成人になってから発症する病型もある。以下に代表的なライソゾーム病について概説する。

〔GM1ガングリオシドーシス〕

β-galactosidaseの欠損により中枢神経系にGM1ガングリオシド,骨を含む全身臓器にケラタン硫酸、オリゴ糖の蓄積が起こる。乳児型は粗な顔貌(ガルゴイリズム),骨変形,肝脾腫,知能障害,錐体路障害,眼底にcherry red spotがみられる。若年型は症状が軽い。成人型はジストニアを主体とする錐体外路障害を呈する。

〔GM2ガングリオシドーシス〕

Tay-Sachs病はβ-hexosaminidase Aの欠損,Sandhoff病はβ-hexosaminidase A,Bの欠損,AB型はGM2活性化蛋白の欠損により,神経細胞にGM2ガングリオシドが蓄積する.乳児型は知能障害,視力障害,痙攣を呈する。若年型は運動失調,アテトーゼがみられ,成人型は脊髄小脳変性症や運動ニューロン疾患類似の症状を呈するものがある。

〔異染性白質ジストロフィー〕

arylsulfatase Aの欠損により脳白質,腎にスルファチドが蓄積し,中枢と末梢経神軽の脱髄をきたす。尿沈査のトルイジン青染色にて赤褐色の異染性を認める.乳幼児型は視神経萎縮,知能低下,痙性麻揮などをきたす。成人型は痴呆や精神症状が主体となる場合がある。

〔Multiple sulfatase欠損症〕

arylsulfatase Aとその他のsulfataseが欠損し,sulfataseの活性化障害があり、最近原因遺伝子も判明した。乳児期に発症し,精神運動発達遅滞,視神経萎縮,痙性麻痺などの神経症状に加え,ガルゴイリズム,肝脾腫,骨格変形といったムコ多糖症様の症候を呈する。

〔Globoid cell leukodystrophy(Krabbe病)〕

galactocerebrosidaseの欠損によりサイコシンが蓄積し,中枢と末楷神経の脱髄をきたす。ミクログリア,マクロファージがオリゴデンドログリアを貪食したものが,グロボイド細胞である。乳幼児型は精神運動障害,視神経萎縮,痙性麻痺などをきたす。成人型は痙性麻痺を呈する。

〔Gaucher病〕

glucocerebrosidaseの欠損によりグルコセレプロシドが肝,脾,骨髄の網内系細胞に蓄積する。1型は小児期〜成人発症で肝脾腫,骨関節痛がみられるが神経症状はない。2型は乳児期発症で肝脾腫に加え,核上眼球運動障害,痙攣,知能障害を伴う.3型は1型と2型の中間型で小児期に発症し,肝脾腫,核上性眼球運動障害,運動失調,不随意運動などがみられる。

〔Niemann-Pick病〕

acid sphingomyelinase が欠損するA型,B型とNPC1蛋白の異常によって超こるC型がある。NPC1蛋白は神経系ではアストロサイトの突起内に局在し,神経細胞からのコレステロールの輸送に関係していると推測されている。スフィンゴミエリンやコレステロールが肝,脾,骨髄の網内系細胞と神経細胞に蓄積する。A型は乳児期に発症し,肝脾腫,精神運動障害や限球運動障害がみられ,B型は小児期に発症し,肝脾腫が主体であり,重症例では肺浸潤による呼吸不全を呈する.C型は発症年齢は様々で肝脾腫と核上性垂直眼球運動障害,失調,ジストニア,痴呆などの神経症状を呈する。成人発症では痴呆,抑うつ症状などの精神症状を主体とする例もある。

〔シアリドーシス〕

sialidase の欠損によりシアリルオリゴ糖が蓄積する.思春期発症で,cherry red spot,視力障害,白内障,ミオクローヌス,歩行障害を呈する。

〔ガラクトシアリドーシス〕

保護蛋白の異常によりsialidase とβ-galactosidase の両方が欠損する。本邦に多く,思春期に歩行障害,視力・聴力障害で発症し,cbeny red spot,小脳失調,ミオクローヌス,痙攣,骨変形,被角血管腫がみられる。

〔l-celI病〕

UDP-N-acetylglucosamine : lysosomal enzyme N - acetyl-glucosamine-1-phosphotransferase の欠損により,ライソゾーム酵素のマンノース6−リン酸標識が障害され,酵素のライソゾームヘの局在が障害される。乳児期発症で,ムコ多糖症様のガルゴイリズム,骨変形,関節拘縮,巨舌,肝腫,ヘルニア,角膜混濁,重度の精神運動発達遅滞がみられるが,ムコ多糖尿はない。網内系細胞の細胞質中に多くの空胞(inclusion body)がみられる。pseudo-Hurler polydystrophy は軽症型である。

〔α-マンノシドーシス〕

α-mannosidaseの欠損により,マンノース含有オリゴ糖が蓄積する。ガルゴイリズム,精神運動発達連滞,骨変形,薙聴,ヘルニア,白内障,角膜混濁がみられる。重症乳児型と軽症の若年型がある。

〔β-マンノシドーシス〕

β-mannosidaseの欠損により,マンノース含有オリゴ糖が蓄積する。小児期発症で,精神運動発達遅滞,・被角血管腫,難聴,易感染性がみられる。

〔フコシドーシス〕

α-fucosidaseの欠損により糖脂質と糖ペプチドが蓄積する。重症乳児型(Ⅰ型)は,ガルゴイリズム,精神運動発達遅滞,肝脾腫, 心肥大,痙攣,易感染性,骨変形,汗のNaCl濃度上昇がみられ,軽症型(II型)は上記に加え被角血管腫がみられる。汗のNaCl濃度は正常である。

〔アスバルチルグルコサミン尿症〕

aspartylglucosaminidaseの欠損によりアスパルチルグルコサミンが蓄積する。フィンランドに多い。乳児期に易感染性,ヘルニアで発症し,顔貌異常は遅れて明らかとなる。学童期以後に知能低下が進行し,異常行動や興奮性がみられる。

〔Wolman病〕

acid lipaseの欠損によりコレステロールエステルやトリグリセリドが蓄積する。乳児期に発症し,肝脾腫,脂肪便, 腹部膨満,副腎の石灰化がみられる。

〔ムコ多糖症〕

Hurler/Scheie症候群

α-iduronidaseの欠損によりデルマタン硫酸, ヘパラン硫酸の蓄積,尿中増加を認める。乳児期から強い身体奇形(ガルゴイリズム,オール様助骨,関節拘縮,椎体変形),知能障害があり,角膜混濁による視力障害,肝脾腫,ヘルニアなどもみられる。Scheie症候群は軽症で知能はほぼ正常である。

Hunter 症候群

iduronate sulfataseの欠損によりデルマタン硫酸,ペバラン硫酸の蓄積,尿中増加を認める。伴性劣性遺伝である。Hurler症候群に類似するが,角膜混濁はない。成人発症例は軽症で知能は正常。

Sanfilippo 症候群

A型heparan N-sulfatase,B型α-N-acetylglucosaminidase, C型acetyl CoA:α-glucosaminidase acetyltransferase,D型N-acetylglucosamine 6-sulfataseの欠損こよりへパラン硫酸の蓄積,尿中増加を認める。小児期発症で,行動異常(多動粗暴),精神運動発達遅滞,粗な髪,多毛,軽度肝脾腫(小児),難聴,痙攣,退行がみられるが,骨格異常などの身体症状は軽い。A型が最も重症である。

Morquio 症候群

A型はgalactose 6-sulfataseの欠損によりケラタン碇酸, コンドロイチン硫酸の蓄積,尿中増加を認める。B型はβ-galactosidaseの欠損によりケラタン硫酸の蓄積,尿中増加を認める。脊椎後側奪,肋骨弓突出,短胴型低身長(110cm以下),]脚,筋緊張低下,関節過伸展,高度の骨変形,環軸椎亜脱臼,角膜混濁,難聴,心弁膜症などがみられるが,知能は正常である。

Maroteaux−Lamy 症候群

N-acetylgalactosamine 4-sulfatase (arylsulfatase B)の欠損によりデルマタン硫酸の蓄積,尿中増加を認める。Hurler症候群様の体形と角膜混滞がみられるが,知能は正常である。

Sly 病

β-glucuronidaseの欠損によりデルマタン硫酸, ヘバラン硫酸, コンドロイチン硫酸の蓄積, 尿中増加を認める。ガルゴイリズム,肝辟腫,骨変形,精神運動発達遅滞がみられる。

注)ファブリー(Fabry)病については、1999年4月より特定疾患治療研究事業の対象となっている(44ファブリー(Fabry)病参照)。

ライソゾーム病に関する調査研究班から

ライソゾーム病 研究成果(pdf 19KB)

この疾患に関する調査研究の進捗状況につき、主任研究者よりご回答いただいたものを掲載いたします。

この疾患に関する関連リンク

  ライソゾーム病に関する調査研究班ホームページ

情報提供者

研究班名ライソゾーム病に関する調査研究班
情報見直し日 平成22年3月4日

難病とは?
各疾患の解説
50音順 索引
疾患群別 索引
各相談窓口紹介
患者団体一覧

診断・治療指針
50音順 索引
疾患群別索引
研究班報告
研究班トピックス
臨床調査研究分野
研究奨励分野
患者さん・ご家族の支援のための情報

行政(厚生労働省)の動き
イベントのお知らせ
ダウンロード
リンク
治験情報(難病医学研究財団HP)
医療関連学会情報

お問い合わせについて
FAQ 代表的な質問と回答例
このサイトの使い方・印刷方法
トップページへ
財団法人難病医学研究財団
PDFをご覧になるにはAcrobat readerのプラグインが必要です。お使いのパソコンにAcrobat reader がインストールされていない場合はダウンロードして下さい。
Get Adobe Reader