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ライソゾーム病らいそぞーむびょう(公費対象)
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FAQ
(よくある質問と回答)

1. ライソゾーム病とは

人の体は何億もの細胞という小さな単位の集まりです。細胞は、体の臓器を形作りそれぞれの役割を果たしています。細胞が正常な新陳代謝を営んでいるとき、人は健康な体を保つことができます。生きている細胞は、常に新しい物質を作り、体の成分としたりエネルギーとしたりしています。そして、古くなったものは分解して捨てています。この古いものを分解する場所が細胞の中にあるライソゾームというところです。したがって、ライソゾームの中には数多くの分解酵素が存在しています。この分解酵素の一つが先天的に欠損しているために起こる病気がライソゾーム病です。欠損する酵素の種類によっていろいろな病気があり、症状も異なっています。現在、約30種のライソゾーム病が知られています。症状はそれぞれの病気で異なっていますが、共通点は、ライソゾームの中に分解されない老廃物が次第に蓄積していくということです。このことから、ライソゾーム病はすべて年齢とともに次第に病気が進行して悪化していく病気です。

具体的な病気の名前と、症状、遺伝形式

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

それぞれの病気は、一般に極めて希です。20万人に1人から10万人に1人くらいで、病気によって頻度は異なります。

3. この病気はどのような人に多いのですか

ライソゾーム病のほとんどは、「常染色体性劣性遺伝形式」という遺伝形式で遺伝します。常染色体性劣性遺伝形式とは、「メンデルの遺伝の法則」でご存知のように、劣性の病気の遺伝子を持っている人(保因者)同士が結婚して、産まれる子どもの4人に1人が病気になります。保因者は、全く健康ですから誰が保因者であるかは検査をしないと分かりません。保因者の頻度は、これも病気によって異なりますが、ライソゾーム病の場合は一般的に150人から200人に1人くらいです。そして、同じ病気の保因者同士が結婚したときに初めて病気の子供が産まれる可能性が出てきます。一部のライソゾーム病は、「伴性劣性遺伝形式(X連鎖性劣性遺伝形式)」です。この場合には、保因者の女性が子どもを産んだとき、男の子の2人に1人に病気の子供が産まれます。

私たちは、それぞれ約3万個の遺伝子を持っています。そして、すべての人は、健康であっても、病気の遺伝子をひとりあたり約5〜6個持っています。同じ病気の遺伝子を持った保因者同士が結婚することは極めて希ですが、たとえばいとこ結婚のような血縁者との結婚では、同じ遺伝子を持っている確率が高くなりますので、起こりやすいと考えられます。

4. この病気の原因はわかっているのですか

どういう酵素が欠損しているかわかっており、血液で酵素活性を測定することによって欠損していることがわかります。また、その酵素を作っている遺伝子も、多くのものが明らかにされています。

5. この病気は遺伝するのですか

3のところで述べたとおり、遺伝します。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

1のところで述べたとおり、ライソゾーム病は次第に悪くなる病気です。産まれてすぐは、ほとんどの場合、全く正常な赤ちゃんです。診察しただけでは、病気は全くわかりません。成長するにつれて、だんだんと症状が現れてきます。病気の種類によって症状は異なりますが、神経系の症状が出てくるものが多く見られます。お座りができていたのにできなくなったとか、歩けていたのに歩けなくなったとか、しゃべれなくなったとか、痙攣といった症状が乳児期や幼児期、あるいは学童期に起こり、だんだん進行します。それ以外に、肝臓や心臓が大きく腫れてくるとか、骨や関節が次第に曲がってくるという症状が出てくるものもあります。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

ほとんどのライソゾーム病には、完全に治る治療法はありません。いくつかの病気では、欠損している酵素を点滴して治療することができます。しかし、一生治療を続けなければいけません。これができる病気は、現在のところ日本では2種類だけです。このほかでは、外国で認められているものや、外国で治験中のものがいくつかあります。次第に進行する病気ですから、できるだけ早く治療しなければいけません。現在、スクリーニングによる早期診断の方法も考えられています。

骨髄移植が効く病気もいくつかあります。これにはドナーが必要ですし、危険が伴います。酵素か、骨髄移植か、それぞれの病気によって慎重に判断されなければいけません。しかし、骨髄移植も酵素治療もできないものがほとんどです。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

ライソゾーム病は進行性です。治療法の無いものでは、神経や体の臓器が次第に悪くなって寝たきりになり、幼児期や小児期に死亡します。軽症型といわれるもののなかには、健康人とあまり変わらない寿命のものもあります。

<具体的な病気の名前、遺伝形式、病気の原因、病型と症状、治療法について>

ゴーシェ病(Gaucher病)
◆常染色体性劣性遺伝
◆グルコセレブロシダーゼ欠損のより肝臓、脾臓、骨髄、神経にグルコセレブロシドという脂質が蓄積して症状を起こす。
◆病型と症状
・Ⅰ型(成人型):慢性非神経型。肝臓、脾臓が腫れ、貧血が幼児期〜青年期におこる。白血病と間違われることがある。骨がもろくなり、痛みや骨折が起こる。骨髄炎と間違われることがある。
・Ⅱ型(乳児型):急性神経型。肝臓、脾臓の腫れに加えて乳児期より痙攣などの神経症状が急激に進行する。
・Ⅲ型(若年型):慢性神経型。肝臓、脾臓の腫れに加えて神経症状を伴うが、Ⅱ型より発病が遅く程度や進行も緩やかである。
◆治療
酵素補充療法または骨髄移植:ともに肝臓、脾臓の腫れや貧血には良い効果が見られるが、神経症状への効果は乏しい。
ニーマン・ピック病(Niemann-Pick病)
◆常染色体性劣性遺伝
◆A型、B型は、スフィンゴミエリナーゼの欠損により神経、肝臓、脾臓にスフィンゴミエリンという脂質およびコレステロールが蓄積して症状を起こす。C型では、コレステロールの輸送を行う物質の先天的欠損により、同様の蓄積が起こる。
◆病型と症状
・A型:乳児期早期に肝臓、脾臓の腫れと神経症状が始まり、急激に進行する。
・B型:乳児期〜小児期に肝臓、脾臓の腫れが起こり、徐々に進行する。神経症状は伴わない。
・C型:乳児期〜成人期まで幅広い発症を示す。いずれも肝臓、脾臓の腫れと神経症状が徐々に進行する。
◆治療
B型に対して酵素補充療法が開発されており、臨床治験が計画されている。
GM1-ガングリオシドーシス
◆常染色体性劣性遺伝
◆β-ガラクトシダーゼの欠損により、神経、肝臓、脾臓、骨などの結合組織にGM1-ガングリオシドという脂質が蓄積して症状を起こす。
◆病型と症状
乳児型:3〜6ヶ月に神経変性症状が始まり急速に進行する。音に過敏反応がある。肝臓、脾臓の腫れとムコ多糖症に似た骨の変形などがある。
・若年型:幼児期に神経症状が起こり、進行する。
・成人型:小児期〜成人期に神経症状が起こり、徐々に進行する。ジストニアと呼ばれる筋緊張異常の症状がある。
◆治療
効果的な治療法は無い。
GM2-ガングリオシドーシス
◆常染色体性劣性遺伝
◆β-ヘキソースアミニダーゼAの欠損(ティザックス病)あるいはβ-ヘキソースアミニダーゼAとBの欠損(サンドホッフ病)により神経細胞にGM2-ガングリオシドという脂質が蓄積して症状を起こす。
◆病型と症状
・乳児型:6〜7ヶ月ころに神経症状が始まり、急速に進行する。音に過敏反応がある。肝臓、脾臓の腫れは無い。
・若年型:幼児期〜小児期に神経症状が始まり、進行する。運動障害が主な症状である。
・成人型:小児期〜成人期に神経症状が始まり、徐々に進行する。運動障害が主な症状である。
◆治療
効果的な治療法は無い。
クラッベ病(Krabbe病)
◆常染色体性劣性遺伝
◆ガラクトセレブロシダーゼの欠損により神経にガラクトセレブロシドおよびガラクトスフィンゴシンが蓄積して症状を起こす。
◆病型と症状
・乳児型:3〜5ヶ月ころに神経症状が始まり、けいれんを伴い急速に進行する。肝臓、脾臓の腫れは無い。
・若年型:幼児期に神経症状が始まる。精神障害、知能障害、運動障害、視力障害が進行する。
・成人型:10歳代以降に神経症状が始まる。ゆっくりと、精神障害、知能障害、運動障害、視力障害が進行する。
◆治療
・進行が遅い若年型や成人型では骨髄移植がある程度の効果を示す。
異染性白質変性症
◆常染色体性劣性遺伝
◆アリルスルファターゼAの欠損により神経髄鞘にスルファチドが蓄積して症状を起こす。
◆病型と症状
後期乳児型:1歳前後に神経症状が始まり進行する。歩けていたのに歩けない、転びやすいなどの症状で始まり、次第に四肢の麻痺が進む。
・若年型:4〜6歳ころに、情緒障害、失禁(おもらし)、歩行障害がおこり、次第に言語障害、けいれん、知能障害が起こって、神経症状が進行する。
・成人型:10歳代後半〜30代に情緒障害、言語障害、妄想などの精神症状がおこり、最初は精神分裂病のようである。次第に運動障害も起こり、寝たきりとなる。
◆治療
進行が遅い若年型や成人型では骨髄移植がある程度の効果を示す。
マルチプルスルファターゼ欠損症
◆常染色体性劣性遺伝
◆全てのスルファターゼを前駆体から成熟体にする酵素が欠損するため、全ての種類のスルファターゼが欠損する。様々な物質が蓄積して症状を起こす。
◆病型と症状
異染性白質変性症とほぼ同様の神経症状に加え、骨の変形、肝臓の腫大といったムコ多糖症に似た症状と皮膚に魚鱗癬を伴う。
◆治療
効果的な治療法は無い。
ファーバー病(Farber病)
◆常染色体性劣性遺伝
◆セラミダーゼの欠損により、セラミドが蓄積する。蓄積部位は、関節、喉頭が主である。
◆病型と症状
関節が腫脹して痛みがある。蓄積が進行してコブのようになってくる。喉頭も肥厚するため、しゃがれ声になる。
◆治療
効果的な治療法は無い。
ムコ多糖症
◆大きくⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅵ、Ⅶ型の6つの型に分けられ、Ⅱ型のみがX連鎖性劣性遺伝、他は常染色体性劣性遺伝
◆ムコ多糖を分解する種々の酵素の欠損により、結合組織を中心にムコ多糖が蓄積して症状を起こす。異常なムコ多糖が尿中に排泄される。欠損する酵素の種類により病型と症状が異なる。
◆病型と症状
欠損酵素の種類および症状により以下のように分類されている。ムコ多糖症の一般的な症状は、骨の変形、関節の拘縮、大きな舌、難聴、心臓弁の障害、肝臓や脾臓の腫大、臍ヘルニア、鼠径ヘルニア、皮膚の肥厚、多毛などで、それぞれの症状の程度は病型によって違っている。さらに、眼の症状や知能障害については、病型によってあったりなかったりする。
・Ⅰ型:α-L-イズロニダーゼの欠損。上記一般症状に加え、角膜の混濁がある。乳児期から症状が始まって急激に進行し、知能障害を伴う重症のハーラー病(Hurler病)と、幼児期から小児期に症状が始まり、ゆっくりと進行して知能障害がない軽症のシャイエ病(Scheie病)とがある。
・Ⅱ型(Hunter病):α-イズロネート 2-スルファターゼの欠損。重症型と軽症型がある。重症型は一般症状と知能障害がある。軽症型は知能障害がない。
・Ⅲ型(Sanfilippo病):4つの種類の酵素欠損が存在し、A、B、C、D型とされている。A型とB型が多く、C型、D型はまれである。多毛以外の一般症状は極めて軽いが、知能障害が重度であり深刻である。
・Ⅳ型(Morquio病):N-アセチルグルコサミン6硫酸スルファターゼ欠損のA型とβ-ガラクトシダーゼ欠損のB型とがあるが、日本人ではほぼA型のみである。骨の変形が極めて強く、そのほかの一般症状は軽度である。関節はむしろ柔らかい。角膜混濁があり、知能障害は無い。頚椎骨の変形や軟部組織の肥厚のために脊髄の神経が圧迫されて次第に手足の麻痺が起こる。
・Ⅵ型(Maroteaux-Lamy病):アリルスルファターゼBの欠損。一般症状に加えて角膜混濁がある。知能障害は無い。
・Ⅶ型(Sly病):β-グルクロニダーゼの欠損。乳児型ではハーラー病に似ている。軽症の小児型ではⅣ型に似ている。
◆治療
骨髄移植、臍帯血移植:Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅵ型、Ⅶ型で効果が認められているが、程度は様々である。
・酵素補充療法:Ⅰ型では「アウドラザイム」、Ⅱ型では「エラプレース」の酵素治療薬があり保険診療が行われている。VⅠ型の「ナグラザイム」の酵素治療薬も2008年には保険診療が可能となる見通しである。いずれも、週1回の点滴による治療である。効果の程度は骨髄移植とほぼ同様である。
シアリドーシス
◆常染色体性劣性遺伝
◆シアリダーゼの欠損により、種々の臓器にシアル酸を含むオリゴ糖が全身に蓄積して症状を起こす。
◆病型と症状
・Ⅰ型:10歳代に神経症状がおこる。ミオクローヌスといわれるからだがピクピクする痙攣様の症状と視力障害が起こる。
・Ⅱ型:乳児型では、乳児期早期から、ムコ多糖症に似た骨の変形と肝臓や脾臓の腫大、神経症状があり、進行する。若年型では幼児期よりムコ多糖症に似た骨の変形と肝臓や脾臓の腫大、神経症状が起こりゆっくりと進行する。
◆治療
効果的な治療法は無い。
ガラクトシアリドーシス
◆常染色体性劣性遺伝
◆β-ガラクトシダーゼとシアリダーゼを安定にする物質が欠損するため、β-ガラクトシダーゼとシアリダーゼの両方の酵素活性が欠損する。GM1-ガングリオシドとシアル酸を含むオリゴ糖が全身に蓄積して症状を起こす。
◆病型と症状
症状は、GM1-ガングリオシドーシスに似ており、乳児型、若年型、成人型がある。
◆治療
効果的な治療法は無い。
I-cell病/ムコリピドーシスⅡⅠ型
◆常染色体性劣性遺伝
◆ライソゾーム酵素にはマンノース6燐酸が付加されており、このマンノース6燐酸がシグナルとなってライソゾームに酵素が到達することができる。マンノースをマンノース6燐酸に変化させる酵素が欠損しているためライソゾーム酵素はライソゾームへいくことができず、ライソゾーム酵素の全てが欠損状態となる。したがって、あらゆる糖脂質や糖蛋白が全身に蓄積して症状が起こる。
◆病型と症状
・I-cell病:乳児期より、ムコ多糖症に似た骨の変形と肝臓、脾臓の腫大があり進行する。知能障害もある。
・ムコリピドーシスⅢ型:幼児期より骨の変形が起こり徐々に進行する。軽度の肝臓、脾臓の腫大、軽度の知能障害がある。
◆治療
効果的な治療法は無い。
マンノシドーシス
◆常染色体性劣性遺伝
◆α-マンノシダーゼの欠損によりマンノースを含むオリゴ糖が全身に蓄積して症状が起こる。
◆病型と症状
・乳児型:乳児期より、神経症状、ムコ多糖症に似た骨の変形と肝臓、脾臓の腫大があり急速に進行する。角膜混濁もある。
・若年型・成人型:幼児期に、運動発達の遅れ、知的発達の遅れ、難聴に気づかれ、神経症状が徐々に進行する。
◆治療
効果的な治療法は無い。
フコシドーシス
◆常染色体性劣性遺伝
◆α-L-フコシダーゼの欠損によりフコースを含むオリゴ糖が全身に蓄積して症状が起こる。
◆病型と症状
・タイプ1(重症型):乳児期に発症する。ムコ多糖症に似た骨の変形、関節拘縮、肝臓や脾臓の腫大、知能障害があり急速に進行する。
・タイプ2(軽症型):1,2歳以降に発症し、ゆっくりと進行する。上記の症状に加えて、ファブリ病のような被角血管腫や汗をかかないといった症状もある。
◆治療
効果的な治療法は無い。
アスパルチルグルコサミン尿症
◆常染色体性劣性遺伝
◆アスパルチルグルコサミニダーゼの欠損によりアスパルチルグルコサミンが全身に蓄積して症状が起こる。
◆病型と症状
1歳ころまでに、易感染性、下痢、鼠径ヘルニアなどが認められる。大頭、肝腫大、粗な顔貌などムコ多糖症様の症状が次第に認められる。幼児期を過ぎたころから知能障害が認められ、進行する。
◆治療
効果的な治療法は無い。
シンドラー/神崎病
◆常染色体性劣性遺伝
◆α-N-アセチルガラクトサミニダーゼの欠損によりα-N-アセチルガラクトサミンのついたオリゴ糖および糖蛋白が蓄積して症状が起こる。
◆病型と症状
・シンドラー病:発達障害、視力障害、ミオクローヌス発作(筋肉がピクピクするてんかん発作)を示す。
・神崎病:全身の皮膚にファブリ病のような被角血管腫を呈す。
◆治療
効果的な治療法は無い。
ポンペ病
◆常染色体性劣性遺伝
◆α-グルコシダーゼの欠損によりグリコーゲンが体の筋肉や心臓の筋肉に蓄積して筋肉が壊れて症状が起こる。
◆病型と症状
・乳児型:1〜3ヶ月で筋力低下、心臓肥大が起こり、急速に進行して1歳ころまでに死亡する。
・小児型:6ヶ月以降に、筋力の低下が起こり徐々に進行する。心臓肥大を伴うこともあるが、程度は軽い。鼻声である。呼吸不全が進行し、人工呼吸器が必要になる。
・成人型:10歳以降に緩やかな筋力低下がおこり、ゆっくりと進行する。心臓の症状は無い。
◆治療
酵素補充療法:「マイオザイム」を2週間に1回点滴投与する。早期治療が重要で、病気が進行して筋肉が崩壊してしまうと効果がない。
ウォルマン病
◆常染色体性劣性遺伝
◆酸性リパーゼの欠損のために、全身臓器にコレステリルエステルおよびトリグリセリドが蓄積して症状が起こる。
◆病型と症状
・ウォルマン病:生後1週頃より肝脾腫、嘔吐、脂肪便性下痢、腹部膨満、貧血が生ずる。通常3〜6ヵ月で死亡する。
・コレステロールエステル蓄積症(CESD):より軽症で、肝腫が乳幼時期より認められて次第に増大する。成人になってはじめて気付かれることもある。高度の脂肪肝、肝線維症を続発する。若年において動脈硬化が進行する。
◆治療
軽症型に骨髄移植が試みられている。
ダノン病(Danon病)
◆X-連鎖性(伴性)劣性遺伝(ただし女性保因者でも症状が出る人がいる)
◆ライソゾームの膜にあるLAMP-2という物質が欠損して筋肉に空胞が多数できる。
◆病型と症状
肥大型心筋症と筋力の低下が起こる。ポンペ病に似ている。
◆治療
効果的な治療法は無い。
遊離シアル酸蓄積症
◆常染色体性劣性遺伝
◆ライソゾームの膜の輸送障害により、ライソゾームに遊離シアル酸が蓄積して症状が起こる。
◆病型と症状
・遊離シアル酸蓄積症(重症型):乳児期より、発育不全、肝臓や脾臓の腫大、発達障害、ムコ多糖症様の顔貌と骨の変形が認められる。
・サラ病(Salla病)(軽症型):幼児期より、精神運動発達の遅れや運動障害(アタキシア)が起こる。
◆治療
有効な治療法は無い。
セロイドリポフスチノーシス
◆常染色体性劣性遺伝
◆全身の臓器にリポフスチンが蓄積して症状が起こる。
◆病型と症状
・乳児型:6ヶ月から2歳ころより、発育不全や小頭症が認められる。急激な筋肉の収縮、けいれん、精神運動発達の障害が起こる。
・幼児型:2〜4歳ころより、運動障害、けいれん、知能障害が進行する。
・若年型:5〜8歳ころより、視力障害、運動障害(アタキシア)、異常運動が起こり進行する。
・成人型:10歳以上で発症し、神経症状が進行する。
◆治療
有効な治療法は無い。
ファブリ病(Fabry病)
◆X-連鎖性(伴性)劣性遺伝(ただし女性保因者でも症状が出る人がいる)
◆α-ガラクトシダーゼの欠損により血管内皮細胞を中心に脂質が蓄積するため、血管障害による症状が次第に起こってくる。
◆病型と症状
・古典型:主に男性である。小児期に手や足の痛みを訴える。特に暑い時や入浴時に多い。汗をかかない。皮膚に赤い小さな斑点(被角血管腫)が多数できる。10代ころより、蛋白尿が出てくる。30〜40代になると腎不全、心臓や脳の血管障害が起こる。
・心型:肥大型心筋症が主な症状である。
・腎型:蛋白尿から腎不全となる症状が主である。
・女性ファブリ:症例により、古典型、心型、腎型の様々な病状を示すが、男性より症状が軽いことが多い。
◆治療
酵素補充療法:「ファブラザイム」または「リプラガル」を2週間に1回点滴投与する。

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この疾患に関する関連リンク

  ライソゾーム病とは?(ライソゾーム病に関する調査研究班)

情報提供者

研究班名ライソゾーム病に関する調査研究班
情報見直し日 平成22年3月4日

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