PNHは赤血球が血管内で異常に早く破壊されておこる貧血で、早朝のヘモグロビン尿(コーラ色)を特徴とします。血液中の白血球、赤血球、血小板のすべてが減少する再生不良性貧血という疾患や、できた血球の数が少ないだけでなく、質も悪くなる骨髄異形成という疾患と密接に関係しており、時に合併・相互移行します。
平成10年度調査では、PNHの患者数は430人でした。
後天性の病気ですが、小児から老年までほぼ全ての年齢で発症しますが、特に20〜60歳代に多い傾向があります。男女差はありません。
PNHは後天性に血液細胞の遺伝子に異常がおこり、その結果赤血球が自分の血液中の補体の攻撃を受けて破壊されます。
遺伝子の異常による病気ですが、後天性の病気なので、遺伝することはありません。
ヘモグロビン尿というコーラ色の尿が特徴的ですが、全ての患者さんにおこるわけでなく、診断時にヘモグロビン尿を呈する患者さんは全体の1/3くらいです。貧血による、顔色不良、息切れ、動悸、全身倦怠感、脱力感、労作時の易疲労感がみられることが多いですが、ゆっくり進行しますので、貧血症状の自覚に乏しく、再生不良性貧血などの造血不全症状が強いと、白血球減少により感染症(肺炎等)を起こしたり、血小板減少による出血症状(皮膚・粘膜の点状出血、抜歯後の止血困難等)を起こします。日本人にはまれですが、血栓症もPNHに特有の症状です。
病気を完全に治すには骨髄移植しかありませんが、一般には経過の長い病気なので、重症の患者さんに対して行われます。溶血に対しては、副腎皮質ステロイド薬が有効と考えられ用いられることがありますが、海外で開発された補体に対する抗体療法が我が国でも導入されれば、ステロイド薬にとってかわることが期待されます。 貧血が強ければ輸血も行います。血栓症があればその治療が必要ですし、再生不良性貧血の症状が強ければ、免疫抑制剤などの治療が有効です。
PNHはゆっくり経過し、多くは少しずつ進行しますが、ときに自然に治癒するこもあります。感染症や血栓症を併発することがあり、またまれに白血病に変化することも知られています。