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膿疱性乾癬のうほうせいかんせん(公費対象)

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1. 膿疱性乾癬とは

「乾癬(かんせん)」という皮膚病の中で、発熱や皮膚の発赤などとともに「膿疱(のうほう〜皮膚に膿がたまったもの)」がたくさん出現する病型を「膿疱性乾癬」と呼び、尋常性(じんじょうせい)乾癬(最も多いタイプの乾癬)と区別しています。膿疱は血液中の白血球が集まったものですが、細菌感染ではありません(無菌性膿疱と呼ばれます)。ですから、 他の人に伝染する心配はありません。 膿疱性乾癬の皮疹は体の一部(手足など)に限局する場合や、全身に出現することもあります。全身に出現する場合には「汎発性膿疱性乾癬」と呼ばれ、症状が重くなりますので、いわゆる特定疾患に認定されています。以下に、汎発性膿疱性乾癬について解説します。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

3. この病気はどのような人に多いのですか

全国調査の結果、1997年の時点で日本には約1,000人の患者さんがいることがわかりました。1年間に17人ぐらいが発症すると推定されています。少し女性に多く、だいたい男性1に対して女性1.2の割合です。幼児から高齢者までの患者さんがいますが、小児期と30歳代の患者さんがやや多いようです。

4. この病気の原因はわかっているのですか

5. この病気は遺伝するのですか

残念ながらまだはっきり分かってはいません。感染症や妊娠などを契機として,皮膚の細胞やリンパ球が分泌するある種の物質(サイトカイン)が高熱の原因となったり、血液中の白血球を皮膚に呼び寄せて膿疱を形成すると考えられています。このような炎症反応が起きやすい遺伝的背景があると考えられています。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

最初に灼熱感とともに全身に紅斑(こうはん〜皮膚の赤み)ができます。 多くの患者さんは、この時に寒気がして高い熱が出ます。また、全身がむくんだり、 関節が痛んだりすることもあります。それに引き続いて、紅斑の上にたくさんの膿疱が出てきます。一部の患者さんでは、目の炎症(結膜炎、虹彩炎、ブドウ膜炎など)が一緒に出ることもあります。皮膚に膿疱が多発すると、皮膚の大切な機能であるバリア機能が下がり、体内の水分バランスは崩れやすくなります。また、高い熱が出ることが多く、体力を消耗してしまいます。こういった状態が長く続くと、心臓や腎臓に負担がかかり、特に高齢の患者さんでは命にかかわることもあります。 適切な治療によって、皮膚の赤みは徐々に消え、膿疱は破れて皮がむけて治ってきます。その後は、全く正常の皮膚に戻る場合、通常の乾癬(尋常性乾癬)の発疹に変化していく場合、あるいは手足に膿疱が出たり消えたりしながら残る場合などいろいろです。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

同じ膿疱性乾癬でも患者さんの年齢や他の病気の有無、重症度、使用する薬剤の副作用などを総合的に判断して治療法を選択する必要があります。現在は、汎発性膿疱性乾癬治療ガイドラインが作成されているので、それぞれの患者さんに適した治療を選択することが可能です。ほとんどの患者さんで入院治療が必要です。安静を保ち、高熱に対して解熱剤を使用し、点滴で水分バランスを補正し、皮膚のバリア機能を補うために軟膏を外用します。治療薬には、ビタミンAの誘導体であるエトレチナート(商品名チガソン)という内服薬が最も使用されています。約8割の患者さんはエトレチナートの内服で症状がおさまります。また、免疫抑制剤であるメトトレキサートやシクロスポリンが使われることもあり、紫外線治療(PUVA)が行われる場合もあります。これらの治療が無効なときや、患者さんの全身状態がおもわしくない場合は、副腎皮質ホルモン剤が使用されることもあります。さらに、これらの治療法を組み合わせることもあります。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

ときに不幸な転帰をとる場合もありますが、通常の場合、適切な治療によって全身と皮膚の症状が改善します。これまでの調査によると治癒した例、膿疱が減少した例を合わせると患者さんの43%は経過がよいと考えられます。しかし、よくなったあとでも皮膚に紅斑や膿疱が繰り返し出現することは多く、最近登録された患者さんのうち37%は再発した人でした。また,通常の乾癬(尋常性乾癬)に移行する場合もあります。

情報提供者

研究班名皮膚・結合組織疾患調査研究班(稀少難治性皮膚疾患)
情報見直し日 平成22年2月15日

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