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特発性血小板減少性紫斑病とくはつせいけっしょうばんげんしょうせいしはんびょう(公費対象)

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1. 特発性血小板減少性紫斑病とは

特発性血小板減少性紫斑病とは、明らかな基礎疾患・原因薬剤の関与なく血小板数が減少し、種々の出血症状をひき起こす病気のことをいいます。推定発病または診断から6ヶ月以内に治癒する「急性型」は小児に多く、6ヶ月以上遷延する「慢性型」は成人に多い傾向にあります。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

平成18年度の厚労省臨床個人調査票の集計によると、推計ITP患者発生数は急性、慢性合わせて2405名(急性851名、慢性1395名)、推計更新患者数は16873名、で合わせると19278名の患者さんがおられることになります。

3. この病気はどのような人に多いのですか

一般に急性型は小児に、慢性型は成人に多い傾向があります。平成18年に発表された全国集計の結果によりますと急性型は5歳以下の小児と70歳以降に多く発症しています。慢性型は男、女とも51歳以降に患者さんが多く認められ、女性ではこの他36〜40歳にも小さなピークがあります。急性型の小児では男児が女児に比し約1.7倍多く(15歳未満を小児、以上を成人とします)、成人の慢性型では、女性が男性の約2.5倍多く発症します。

 

4. この病気の原因はわかっているのですか

血小板に対する「自己抗体」ができ、脾臓で血小板が破壊されるために、数が減ってしまうと推定されています。しかしながら、なぜ「自己抗体」ができるのかについては、未だはっきりとしたことはわかっていないのが現状です。

5. この病気は遺伝するのですか

ある特定の遺伝子異常によって発症するような疾患ではなく、今までに遺伝家系の報告はありません。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

血小板は、出血をとめるために非常に大切な細胞です。ですから、この数が減ると、出血し易くなり、また出血が止まりにくくなり、次のような種々の程度の出血症状がみられます。

・点状や斑状の皮膚にみられる出血
・歯ぐきからの出血、口腔粘膜出血
・鼻血
・便に血が混じったり、黒い便が出る
・尿に血が混じって、紅茶のような色になる
・月経過多、生理が止まりにくい
・重症な場合は、脳出血

ただし、いずれの症状もこの疾患に特異的なものではありません。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

平成16年に厚労省研究班で作成された治療指針(案)があります。これはピロリ菌陽性の血小板減少症の患者さんの中には抗菌剤で除菌を行うと半数以上の患者さんで血小板数が増加することから、従来の治療指針に除菌療法を加えた治療指針です。もし患者さんの中で胃十二指腸潰瘍の原因となるピロリ菌という細菌を保有する場合、まず除菌療法を行います。一方除菌療法の効果のない患者さんやピロリ菌陰性の患者さんでは、第一に副腎皮質ステロイドが使われ、血小板数や症状をみながら徐々に減量していくのが一般的です。副腎皮質ステロイドが無効な場合や、副作用のために治療の継続が困難な時には、手術で脾臓を摘出することもあります(「摘脾」といいます)。摘脾が無効の時にはアザチオプリンやシクロホスファミド、シクロスポリンなどの免疫抑制剤、ダナゾールなどを用いることがあります。また、ガンマ・グロブリンを使った治療も、一過性の効果しかないことが多いのですが、有効率は高いので、摘脾など手術の前や緊急時などによく用いられます。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

小児に多くみられる急性型の大部分は自然に治癒し、慢性型に移行するものは10%程度です。慢性型でも約20%は副腎皮質ステロイドで治癒し、さらに摘脾で60〜70%が治癒します。ただし、それでも残りの約5〜20%は治療に抵抗性(あるいは難治性)で、出血に対する厳重な注意が必要とされますが、致命的な出血を来して死亡する例はまれなようです。

情報提供者

研究班名血液系疾患調査研究班(血液凝固異常症)
情報更新日 平成22年3月2日

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