経過、臨床症状、病理学的所見からつけた英語subacute myelo-optico-neuropathy(亜急性脊髄・視神経・末梢神経障害)の頭文字SMON からつけた疾患です。
昭和30年代から40年代にかけて日本各地でスモンの集中発生がみられ、47年までに全国で11,127名のスモン患者さんが確認されま した。平成21年4月1日現在健康管理手当受給しているスモン患者数は、全国で2,176名です。
平成21年度厚生労働省スモンに関する調査研究班で全国スモン患者870名が検診調査されましたが、それによると男女比1:2.61, 年齢は70歳代が最も多く、65歳以上が90.7%を占めています。
スモン患者さんが胃腸症状のために服用していたキノホルム剤が原因、即ち薬害であることが判明し、厚生省は昭和45年9月8日キノホルムのわが国における製造販売および使用停止を決定しました。そのため、それ以降は新患者の発生はなく、患者数は年毎に減少しています。
遺伝しません。
下痢、腹痛などの腹部症状を持つのがスモンの特徴です。この腹部症状にキノホルムが投与され、2〜3週で両下肢に自覚的なしびれ感(じんじん、ぴりぴり感など)、下肢の脱力、起立・歩行の不安定が起こり、重症例では両下肢完全麻痺、約20%に視力障害をきたします。現在は、これらの後遺症に白内障、高血圧、四肢関節疾患などの合併症を頻繁に合併しています。
現在の症状は慢性固定化していますので、種々の愁訴に対する対症療法となります。下肢異常感にはノイロトロピン注射・錠剤、抗うつ剤、ロキソニンなどの鎮痛剤投与やハリ療法が行われます。スモン・リフレッシュ体操も考案されています。
薬物疾患で進行性ではないので神経症状は最重度期に比し多くの例で軽快していますが、平成21年度調査では約96%に異常感覚、約60%に歩行障害、約40%に中等以上の視力障害を有しています。しかし上記のような加齢による合併症が問題となってきています。