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1. アミロイドーシスとは

アミロイドーシスとは、アミロイドと呼ばれる線維状の異常蛋白が沈着して臓器の機能障害をおこす病気の総称です。アミロイドが全身の多臓器に沈着する全身性アミロイドーシスと、ある臓器に限局して沈着する限局性アミロイドーシスに分けられます。
全身性アミロイドーシスの代表的なものとしては、ALアミロイドーシス、AAアミロイドーシス、透析アミロイドーシス、家族性アミロイドポリニューロパチーなどがあります。
限局性アミロイドーシスとしては脳アミロイドーシスが代表的で、アルツハイマー病、脳アミロイドアンギオパチー、プリオン病などがあります。
現在、この中で免疫グロブリン性アミロイドーシス(ALアミロイドーシスなど)、家族性アミロイドーシス(家族性アミロイドポリニューロパチーなど)及び老人性TTR型アミロイドーシスが特定疾患治療研究事業による医療費公費負担の対象疾患となっております。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

それぞれの疾患によって異なります。ALアミロイドーシスや家族性アミロイドポリニューロパチーは数百人、AAアミロイドーシスや透析アミロイドーシスにはそれぞれの基礎疾患である関節リウマチや透析患者数がわが国では極めて多いため、数千〜数万人の患者がいると推測されています。脳アミロイドーシスに関しては、アルツハイマー病の有病率は特に高く、約200万人の認知症患者さんの過半数はアルツハイマー病と推測されています。

3. この病気はどのような人に多いのですか

全身性アミロイドーシスには遺伝性と非遺伝性の2つに大別され、前者の代表的な疾患としては家族性アミロイドポリニューロパチーがあります。これは、トランスサイレチンという蛋白の遺伝子の異常によることが分かっています。非遺伝性の全身性アミロイドーシスとしては、多発性骨髄腫を含む免疫グロブリンの異常に合併するALアミロイドーシス、慢性関節リウマチなどの炎症性疾患に合併するAAアミロイドーシス、長期人工透析患者に合併する透析アミロイドーシスのように、それぞれアミロイドーシスをおこす基礎となる全身性疾患が存在することが知られています。
 脳アミロイドーシスの代表であるアルツハイマー病は高齢者に多く、加齢に伴い頻度が増加します。

4. この病気の原因はわかっているのですか

原因となる蛋白質が凝集してアミロイドとして臓器に沈着して発病します。原因蛋白質の種類やアミロイドの沈着する臓器は病気によって異なります。原因蛋白質がつくられ、アミロイド化していく機序の解明を進めています。

5. この病気は遺伝するのですか

家族性アミロイドポリニューロパチーは遺伝性で、トランスサイレチン蛋白遺伝子の異常で起こります。アルツハイマー病やプリオン病の一部も遺伝する場合があります。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

全身性アミロイドーシスでは、心臓の障害(心不全や不整脈)、腎臓の障害(ネフローゼ症候群や腎不全)、胃腸の障害、末梢神経や自律神経の障害(手足のしびれ、麻痺、立ちくらみ、排尿の異常、便秘、下痢)などがしばしばみられ、舌、甲状腺、肝臓が腫れることもあります。
アルツハイマー病では認知症症状が、脳アミロイドアンギオパチーでは脳出血などの脳卒中の症状がみられます。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

現時点では多くの場合は症状を和らげる対症療法が中心となりますが、病型によっては原因療法が可能になってきています。家族性アミロイドポリニューロパチーでは、主に肝臓が異常トランスサイレチンを産生しているので、肝臓を移植(わが国では生体部分肝移植がほとんど)が行われています。また、ALアミロイドーシスでは、自己末梢血幹細胞移植を併用した大量化学療法が行われております。これらの治療法は、発症早期に行うことができれば、大きな治療効果が期待できるものと考えられております。更に家族性アミロイドポリニューロパチーでは、ジフルニサルという抗炎症薬を用いた治験が、AAアミロイドーシスに対してはサイトカインを標的とした最新の抗リウマチ薬を用いた治験が行われる予定です。
 アルツハイマー病では、現在コリンエステラーゼ阻害薬である塩酸ドネペジルの投与が行われ、症状を軽減し、進行を遅くすることが出来ます。また、ワクチン療法など、脳からアミロイド蛋白を除去する治療法の開発が進行しています。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

経過は病型や患者ごとに異なりますが、何れの病型も原因療法(家族性アミロイドポリニューロパチーにおける肝移植など)が適切に行われなければ、徐々に症状は進行していきます。全身性で進行が速い場合は、発病後数年で死に至ることもあります。

9. 患者さんに知って欲しいこと

アミロイドーシスは早期診断が困難で、専門医の診療を必要とする病気です。なるべく早く専門医にご相談下さい。ご参考までに、厚生労働省難治性疾患克服研究事業・アミロイドーシスに関する調査研究斑(主任研究者 山田正仁)に所属する分担研究者及び研究協力者で、アミロイドーシスの病型別の専門医のリストをお示しいたします(2009年7月現在)。

 「アミロイドーシスに関する調査研究班」のアミロイドーシス病型別専門医リスト(pdf 45KB)

情報提供者

研究班名代謝系疾患調査研究班(アミロイドーシス)
情報更新日 平成21年7月14日

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