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偽性低アルドステロン症

ぎせいていあるどすてろんしょう

1. 偽性低アルドステロン症とは

高カリウム血症、低ナトリウム血症、高レニン血症、腎臓からの塩類喪失などアルドステロン分泌不全を疑わせますが、血中アルドステロン濃度は低下していない(すなわちアルドステロン分泌は正常)ところから偽性低アルドステロン症と呼ばれます。偽性低アルドステロン症は遺伝性疾患であり、I 型とII 型に分けられます。I 型は腎尿細管でのアルドステロンの作用不全により、II 型は腎尿細管でのカリウム排泄障害による病態です。

2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか

I 型偽性低アルドステロン症は100例以上の報告がある小児の稀な疾患です。患者の家族に無症状の症例が存在します。

II 型偽性低アルドステロン症は、約50例の報告があり、本邦でも8例の報告があります。

3. この病気はどのような人に多いのですか

I 型偽性低アルドステロン症は、新生児後期から乳幼児期に多く発症します。

II 型偽性低アルドステロン症は、小児期から30歳以下の成人に多いです。

4. この病気の原因はわかっているのですか

I 型偽性低アルドステロン症には2つのサブタイプがあります。I 型偽性低アルドステロン症Aの原因はアルドステロン受容体を規定する遺伝子の異常です。I 型偽性低アルドステロン症Bの原因は上皮性ナトリウムチャンネルの3つの構成成分を規定する3つの遺伝子のいずれかの異常です。

II 型偽性低アルドステロン症の原因はWNK1あるいはWNK4とよばれる遺伝子の異常です。

5. この病気は遺伝するのですか

I 型偽性低アルドステロン症Aは常染色体優性遺伝を、I 型偽性低アルドステロン症Bは常染色体劣性遺伝形式をとります。

II 型偽性低アルドステロン症は常染色体優性遺伝形式をとります。

6. この病気ではどのような症状がおきますか

I 型偽性低アルドステロン症で新生児後期から乳幼児期に発症する場合、哺乳力低下、体重増加不良、不機嫌、嘔吐、脱水、発熱などの症状を示します。生後急激に発症する時、低ナトリウム血症によるけいれんやショックがみられ、高カリウム血症による不整脈や心停止をきたすことがあります。I 型偽性低アルドステロン症Aの症状は比較的軽症ですが、I 型偽性低アルドステロン症Bの症状は重症です。I 型偽性低アルドステロン症Bでは腎尿細管に加えて汗腺、唾液腺、大腸粘膜でもアルドステロンに対する不応を示します。

II 型偽性低アルドステロン症は高血圧が主要な症状です。低身長、筋力低下、四肢麻痺、精神発達遅延を伴うこともあります。

7. この病気にはどのような治療法がありますか

I 型偽性低アルドステロン症の急性期の治療として、補液により低ナトリウム血症と脱水を治療します。その後に、食塩を経口投与します。

II 型偽性低アルドステロン症(成人型)の治療はクロールの摂取制限すなわち食塩制限およびサイアザイド系利尿薬です。また高血圧の管理が重要です。

8. この病気はどういう経過をたどるのですか

I 型偽性低アルドステロン症Aでは食塩喪失は年齢とともに改善し、無症状となり、1歳以降に食塩補充を中止できます。腎尿細管の ナトリウム保持能の未熟性が改善するためと考えられています。I 型偽性低アルドステロン症Bでは1歳以降にも食塩補充を必要とすることが多いです。

II 型偽性低アルドステロン症は食塩制限とサイアザイド系利尿薬の投与で予後は良好です。

情報提供者
研究班名 内分泌系調査研究班(副腎ホルモン産生異常)
情報更新日平成24年1月5日