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原発性胆汁性胆管炎(指定難病93)

げんぱつせいたんじゅうせいたんかんえん

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

「原発性胆汁性胆管炎(旧称:原発性胆汁肝硬変(PBC))」という病名ですが、私はほんとうに肝硬変なのでしょうか?

「肝硬変」という文字が病名に付けられていますが、現在、原発性胆汁性肝硬変の診断がなされている多くの方は肝硬変まで進行しておらず、肝硬変に至っている方は10%程度の方だけです。この病気の名が付けられた頃は、黄疸が続いて、胆汁うっ滞性肝硬変まで進んで初めて診断されていたので、病名に「肝硬変」が付けられました。しかし、近年は、診断するための検査の開発や病気についての知識が広まったために、症状がない、あるいは軽い時期に診断されることがほとんどですので、多くの方は肝硬変には至っていません。

健診で肝機能異常が見つかったので大きな病院で精密検査を行ったところ、「原発性胆汁性肝硬変」という診断をされました。症状はまったくありません。この先どのような経過をたどるのでしょうか?

同じ「原発性胆汁性肝硬変」という病名であっても、すべての患者さんが同じように進行して肝硬変に至るわけではありません。全く症状のない無症候性PBCの患者さんの約70%は、10年以上病状が進行せず経過します。進行した場合には、かゆみが生じる時期がきます。その後、血液中の総ビリルビンという検査項目が基準以上に高くなる時期があり、次第に白目が黄色くなる、いわゆる黄疸(おうだん)がはっきりしてくる時期が来ます。いったん黄疸が現れても、その進みかたは緩やかで、高度の黄疸に至るまで数年を要します。ウルソがPBCに使用されるようによって、この病気の進行は以前に比べて明らかに改善しています。

健診を受けたところ血液検査でアルカリフォスファターゼ(ALP)という検査値のみが高値を示していたとのことで精密検査を受け、「原発性胆汁性肝硬変」の診断が出ました。現在特に症状もなく、身体の異常もありませんがどのようなことに注意し、どのような生活をすればよいですか?

療養や治療の仕方は病気の時期や合併症の有無で異なります。症状が全くない無症候性PBCでしたら日常生活、勤務、食事、入浴等は一般の方と同じ普通の生活で結構です。運動も結構です。食べ物も特に制限がありません。偏らずに何でも食べることが健康の秘訣です。定期的(早期の場合は3~4ヵ月に1度)に血液検査をしていただき、胆管障害を表す数値(特にALPとγ-GTP)が上昇したり、AST(GOT)やALT(GPT)が高いようであればウルソという薬を服用する必要があります。
この病気の方は、胆汁うっ滞のために、脂溶性のビタミンであるビタミンDの腸での吸収が悪くなります。そのため、骨粗鬆症(こつそそうしょう)になりやすく、身体のあちこちに痛みを生じたり、何でもないことで骨折したりすることもあります。特に閉経を迎えた方は、早めに骨粗鬆症の予防に努める必要があります。
また、自覚症状はないにもかかわらず食道に静脈瘤ができていて、突然破裂して口から血を吐く(吐血)こともありますので、消化管の内視鏡検査を受けて把握しておく必要があります。
病気が少し進んで、かゆみが出た方、さらに進んで黄疸や腹水が出た方は、その方に応じた療養の仕方がありますので、主治医の先生によく相談なさることが大切です。

原発性胆汁性肝硬変にウルソは効いているのでしょうか。ウルソ以外に効く薬はないのでしょうか。

ウルソはこの病気のほとんどの患者さんのアルカリフォスファターゼ(ALP)やγ-GTPなどの肝機能検査値を改善します。ウルソがこの病気に使われ始めた頃は、肝機能検査値は改善するけど、ほんとに病気自体をよくしているのか、という疑問が世界中の専門家の中からも起こりました。多くの患者さんの参加による臨床研究がたくさん行われた結果、1)ウルソは肝機能検査値(アルカリフォスファターゼ(ALP)やγ-GTP)を確実に低下させる、2)肝臓の組織の炎症反応や線維化を改善する。3)肝臓移植ないしは死亡までの期間を延長させる、すなわち患者さんの生命予後を延長させるという成績が集積して、ウルソの本病気に対する効果は確立しました。実際に、我が国の全国調査成績をみても、本病気の患者さんの生命予後は、ウルソが使用されていた以前に比較するとかなり改善しています。ウルソが薬としてよい点は、ヒトの身体の胆汁成分でもあるので、副作用が非常に少ない点です。したがって現在では、原発性胆汁性肝硬変の診断がなされて、薬が必要と判断されると、まずはウルソが基本的な薬として処方されます。
ウルソの服用で肝機能検査値の低下が思わしくない方は、まずはウルソの量を増やします。それでも効きが悪い場合は、本病気への効果が最近我が国で報告されているベザフィブラートという薬を追加することもあります。しかし、この薬は本来高脂血症に対する薬であり、高脂血症に対しては保険の適応がありますが、原発性胆汁性肝硬変にはまだ適応はありません。
かゆみが高度の時は、抗ヒスタミン薬やその他のかゆみ止め、骨粗鬆症に対しては、それに対する薬を服用する必要があります。

難治性の肝疾患に関する調査研究班から
原発性胆汁性肝硬変(PBC)のガイドブック(2013年4月)(pdf 2134KB)


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情報提供者
研究班名 難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究班
研究班名簿  研究班ホームページ 
情報更新日平成27年1月19日(研究班名簿:平成30年4月更新)