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慢性炎症性脱髄性多発神経炎/多巣性運動ニューロパチー(指定難病14)

まんせいえんしょうせいだつずいせいたはつしんけいえん/たそうせいうんどうニューロパチー

(概要、臨床調査個人票の一覧は、こちらにあります。)

慢性炎症性脱髄性多発神経炎とギラン・バレー症候群とはどこが違うのでしょうか?

基本的には異なる疾患と考えています。神経炎とは末梢神経組織に炎症細胞が侵入して、炎症を起こして末梢神経障害が出現する場合に神経炎と称します。慢性 でも急性でも神経組織に炎症がおこっているか否かは神経組織を一部摘出して顕微鏡的な検索にて初めて神経炎と診断ができます。従って顕微鏡的な組織診断が ない時は神経炎とは言いにくいので、最近は神経炎のかわりにニュ-ロパチ-と表現しています。本症では神経炎(実際に神経組織では炎症がしばしばおこって います)でも良いし、またニュ-ロパチ-いずれを使ってもかまいません。急性炎症性脱髄性多発根神経炎のほとんどはギラン・バレ-症候群(GBS)であ り、この病気は再発しないことが原則です。一方、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)は、最初の発病時はギラン・バレ-症候群と同じような発病の仕方 をすることがありますが、慢性進行性、再発寛解を繰り返していく病気です。

筋肉が細くなっていくのは、この病気の特徴でしょうか?

全例ではありませんが、多くの症例で筋肉がやせてきます。筋力が低下し、筋肉が細くなる(筋萎縮)のは、運動神経の軸索にも障害が及び、筋組織を維持する 栄養因子が軸索内を輸送されなくなり、筋肉の量がおちてくるのです。この病気では筋萎縮が出現してくると、髄鞘障害のみでなく軸索も障害されてきたことを 示すものであり、後遺症として残るようになります。

本症では副腎皮質ステロイドが効果ありとされていますが、長期間続ける必要があり、その副作用が心配です

時にはステロイド剤無効の場合もありますが、大多数の患者さんはステロイド剤に反応します。ただし、じっくりと、ゆっくり減量し、1日5~10mgを維持 量として、かなり長期間服用してもらいます。急な減量では症状の再燃を認めることがあります。従って、如何に副作用を少なくするかが重要な問題となりま す。高血圧、ステロイドによる糖尿病、ざ瘡(ニキビ)、多毛、白内障、眼圧上昇、消化器系(胃)潰瘍などが副作用として出現してきます。特に高齢者では骨粗鬆症の出現が重要な問題となってきます。

歯科医師ですが、患者さんでCIDPの方がいます。口腔全体の過剰な冷水痛を訴え来院され、一度の治療で改善したのですが、3~4か月後に検診で来院さ れ、また口腔全体の冷水痛を訴えられました。この症状はCIDPのせいなのか、服用されている薬(ステロイド・メチコバールなど)のせいなのか、ご指導く ださい。

ご質問上にある患者情報のみでは、正しいご返事をすることは非常に困難な状態です。
この症例の確定診断はCIDPとしますと、一般にCIDPでは脳神経障害の合併は希にはありますが、決して頻度は高いものではありません。この症例の様に両側の口腔内の疼痛を訴えられることは非常に珍しいものと考えます。
口腔内の冷水痛は内科医にとっては希な訴えでありますが、一般に口腔内の冷水痛は口腔内局所の病変を疑わせる所見と理解します。
口腔内の疼痛としましては、舌咽神経痛、歯科治療後求心性遮断性疼痛(幻歯痛、抜歯後カウザルギー)、口腔内灼熱症候群、否定型歯痛、非定型顔面痛、顎関節症などを考慮しますが、この症例での疼痛の内容が不明のため鑑別は困難です。
例えば、疼痛が灼熱痛であれば口腔内灼熱症候群などが疑われます。嚥下に誘発される瞬間の激しい痛みであれば舌咽神経痛などがあります。この場合では多く は片側、局所の疼痛です。両側の疼痛では口腔内灼熱症候群を最も疑います。口腔内灼熱症候群の診断基準は、連日性かつほぼ終日にわたり持続する口腔内の痛 み、口腔粘膜の外観は正常、局所および全身疾患を否定します。痛みは精神的要因で症状が変動し、睡眠中で軽快します。
いずれしてもCIDPに合併する症候としては非常に希な症候と考えます。また服用されているお薬により生ずる可能性は否定できませんが、少ないものと考えます。一度、神経内科医の診察をお勧めします。

アミノ酸を経口摂取すると筋肉の再生を助けると聞きましたが、CIDPに効果は期待できますか?効果があるか不明でも摂取させても問題ないですか?

CIDPに対するアミノ酸製剤の有効性は医学的には論議されておりません。またエビデンスはないものと思います。

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情報提供者
研究班名 神経免疫疾患のエビデンスによる診断基準・重症度分類・ガイドラインの妥当性と患者QOLの検証研究班
研究班名簿   
情報見直し日平成27年3月19日