■概念・定義 |
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有棘赤血球を伴う舞踏病には数疾患が含まれている。大別すると脂質の吸収低下から生じる無あるいは低βリ ポタンパク質血症を伴う群と伴わない群とに分けられる。ここでいう有棘赤血球を伴う舞踏病は後者に分類される。代表はLevin-Critchley症候 群とMcLeod症候群である。その他、ハンチントン病類症型Huntington disease-like2やPKAN:Pahtothenate kinase associated neurodegeneration (Hallervorden Spatz syndrome)などもこの群に含まれる。いずれも末梢血に有棘赤血球acanthocyteを認め、神経学的には舞踏運動を中心とする不随意運動を認 める。代表2疾患の特徴を下記に示す。 1) 有棘赤血球舞踏病 A:臨床所見 1) 好発年齢は若年成人(平均30歳代)であるが、発症年齢の分布は思春期から老年期に及び、緩徐に増悪する。 2) 常染色体劣性遺伝が基本である。優性遺伝形式に見えることもある。 3) 口周囲(口、舌、顔面、頬部など)の不随意運動が目立ち、自傷行為による唇、舌の咬傷を見ることが多い。咬唇や咬舌は初期には目立たないこともある。 4) 口舌不随意運動により、構音障害、嚥下障害を来たす。 5) 体幹四肢にみられる不随意運動は舞踏運動とジストニアを主体とする。 6) てんかんがみられることがある。 7) 脱抑制、強迫症状などの神経精神症状や認知障害がしばしば認められる。 8) 軸索障害を主体とする末梢神経障害があり、下肢遠位優位の筋萎縮、脱力、腱反射低下・消失をきたす。 B:検査所見 1) 末梢血で有棘赤血球の増加をみる。 2) βリポタンパクは正常である。 3) 血清CK値の上昇を認めることが多い。 4) 頭部MRIやCTで尾状核の萎縮、大脳皮質の軽度の萎縮を認める。 C:確定診断 2)Mcleod症候群 A:臨床所見 1) 伴性劣性遺伝様式をとる。 2) 30-40歳代に発症することが多い。 3) 舞踏運動を主とする不随意運動を口周囲、四肢体幹に認め、他にチック、ジストニア、パーキンソニズムを見ることもある。咬唇や咬舌はほとんど認めない。 4 )軸索型末梢神経障害を大多数の症例で認め、腱反射は消失する。 5) 筋障害(四肢筋)を認める。 6) てんかんがみられることがある。 7) 統合失調症様精神病症状などの神経精神症状や認知障害をしばしば認める。 8) 心筋症や溶血性貧血、肝脾腫をしばしば認める。 B:検査所見 1) 末梢血で有棘赤血球の増加をみる。 2) βリポタンパクの欠如がない。 3) 血清CK値の上昇を認める。 4) 針筋電図所見では筋原性、神経原性所見の双方を認めることがある。 5) 頭部MRIやCT像で尾状核の萎縮、大脳皮質の軽度の萎縮を認める。 6) 赤血球膜表面にあるKx蛋白質の欠損とKell抗原の発現が著減している。 C:確定診断 |
■疫学 |
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わが国での疫学調査では全国で約100人程度の患者が見出されているが、詳細は不明である。 |
■病因 |
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上記定義にそれぞれ記載した。遺伝子変異の同定により確定診断となる。 |
■症状 |
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定義にそれぞれ記載した。 |
■診断 |
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定義にそれぞれ記載した。 鑑別診断としては以下の疾患が挙げられる。 1) 脳血管障害(多発性脳梗塞,脳出血,硬膜下血腫,もやもや病,脳動静脈奇形など)に伴う舞踏運動 2) 薬物性舞踏運動(抗精神病薬,抗てんかん薬,抗パーキンソン病薬など) 3) 脳腫瘍に伴う舞踏運動 4) 傍腫瘍性症候群 5) 神経変性疾患に伴う舞踏運動 (1) DRPLA (2) Huntington病 (3) SCA17 (4) その他 6) 不随意運動を主症状とする代謝・内分泌性疾患 (1) Lesch-Nyhan症候群 (2) ライソゾーム病 (3) ポルフィリア (4) その他(Wilson病やFahr病など) 7) 顔面・舌ジスキネジア 8) 全身性エリテマトーデス 9) 妊娠性舞踏病 10) 電解質異常にともなう舞踏病 11) 多血症 12) 中毒性疾患(一酸化炭素中毒,有機水銀中毒,無酸素脳症,タリウム中毒,有機溶剤中毒など) |
■治療 |
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遺伝子機能はまだ不明な点が多く、原因療法は開発されていない。対症療法として舞踏運動に対しては定型抗精神病薬が使用されることがあるが、有効性には症例により差異がある。 |
■予後 |
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進行性疾患で予後不良である。本症の自然歴には不明な点が多い。 |
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有棘赤血球を伴う舞踏病
ゆうきょくせっけっきゅうをともなうぶとうびょう
| 研究班名 | 神経・筋疾患調査研究班(神経変性疾患) |
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| 情報更新日 | 平成23年1月31日 |




