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研究奨励分野神経フェリチン症(平成24年度)

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1. 概要

神経フェリチン症(NF)は、フェリチンという鉄代謝に関連した蛋白質の異常によって生じる病気です。フェリチンには、軽鎖と重鎖の2種類がありますが、特に軽鎖の遺伝子変異によって生じることがわかっています。臨床的には、様々な神経症候を数十年にわたり認め、かつ緩徐に進行する疾患です。頭部MRI検査では、大脳基底核における高度の鉄沈着と組織破壊を反映した所見を認めることが多いとされています。病理学的には変異したフェリチン軽鎖だけでなく、正常フェリチン軽鎖および正常の重鎖が、神経細胞体および核内、グリア細胞核内に過剰に蓄積します。また、こういった、異常フェリチンは、皮膚や腎臓などの全身臓器にも沈着することがわかっており、神経に限らず全身性疾患の観点からの研究も必要です。稀少疾患であるため、治療法が確立しておらず、我が国での研究も欧米に比し遅れています。しかし本疾患を含め、鉄代謝の異常により発症する疾患がいくつか知られていることをふまえれば、我が国における本疾患の実態を把握し、診断基準を確立することは、鉄と神経変性からみた病態解明、治療法の開発に繋がる可能性があります。

2. 疫学

正確な疫学的なデータはまだありません。しかし、画像診断の進歩などのより新規症例の発見が報告されていること、家族性に発症する場合も多いこと、臨床経過が長いことなどを考えれば、相当数が発見される可能性もあると考えられます。また、類似した症状を呈する疾患との鑑別を明確にすることで、将来の適正な医療助成にも繋がるものです。

3. 原因

フェリチンという鉄代謝に関連した蛋白質の異常によって生じる病気です。フェリチンには、軽鎖と重鎖の2種類がありますが、特に軽鎖の遺伝子変異によって生じます。変異したフェリチン軽鎖、正常フェリチン軽鎖および正常の重鎖と鉄が、神経細胞体および核内、グリア細胞核内に蓄積し、その結果神経細胞やグリア細胞が障害され、様々な症状を呈します。近年では、フェリチン沈着に関連した鉄沈着により、活性酸素を介した神経障害との関連も動物実験を通して明らかになっています。さらにこういった異常フェリチンを皮膚や腎臓などの全身臓器に沈着することから、神経系だけでなく、全身性疾患としての検討も必要になってきました。

4. 症状

神経症状として、振戦、小脳失調、錐体路徴候、錐体外路徴候、認知障害など多彩な症状を、極めて長期間にわたり出現してくることが特徴的です。したがって、他疾患との鑑別診断が重要で、診断指針や基準を作成し、適切な診断がなされることが重要です。

5. 合併症

神経症候に伴う、全身状態の悪化、日常生活動作(ADL)の低下により、感染症、心肺機能低下などを徐々に生じるとされています。

6. 治療法

現段階では、残念ながら特異的な治療法がなく、個々の症状や合併症に適切に対応することが重要となります。

7. 研究班

神経フェリチン症の本邦における実態調査と診断基準の構築に関する研究班