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神経系疾患分野禿頭と変形性脊椎症を伴う劣性遺伝性白質脳症(CARASIL) キャラシル(平成24年度)

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1. 概要

特別な危険因子を持たず、脳の白質を中心とする血管障害、禿頭、変形性脊椎症を三徴とする。蛋白分解酵素であるHTRA1(エイチティーアールエイ1)の遺伝子異常によっておこる劣性遺伝性疾患である。中枢神経病変は主に脳の小血管を主として侵し、血管の平滑筋細胞の変性脱落と内膜の肥厚を認める。

2. 疫学

本邦で遺伝子診断で確定されている物は6家系であり10人前後。

3. 原因

原因であるエイチティーアールエイ1は蛋白分解酵素で有り、その活性依存性に、ティージーエフ ベーターファミリーシグナルを抑制する効果がある。本症の患者さんでは、この抑制効果がうまく働かないため、ティージーエフ ベーターファミリーシグナルが結果的に亢進することにより発症する。

4. 症状

一般に白質障害、禿頭、変形性脊椎症の三徴を有するが、禿頭を持たない例の報告も有り、本症には臨床的に不全型が存在すると推察される。脳の深部白質の障害により、歩行障害、嚥下障害、構音障害、認知症、精神症状をきたし、発症後数十年で寝たきりとなる例が多い。白質の変化は中枢神経症状の発現に先行する。変形性脊椎症は、後期に認められ、初期には、あまり骨変化が明らかでない腰痛を訴えることがある。禿頭はいわゆる男性型ではなく、全体的に粗になる形をとる。

5. 合併症

全身合併症は少ない。病気が進行した場合、誤嚥性肺炎などを合併することがある。変形性脊椎症は、手術が必要となる例は少ない。

6. 治療法

脳血管障害の危険因子、特に高血圧を伴っていた場合はそれを治療する。抗血小板剤の使用の是非は確定していない。MRIでは微少出血も散見されること。一般に脳小血管病に対する抗血小板剤使用のエビデンスは少ないことから、現時点で積極的に推奨するエビデンスはない。

7. 研究班

遺伝性脳小血管病およびその類縁疾患の診断基準の確立と治療法の研究班