メニュー


HOME >> 難治性疾患研究班情報(研究奨励分野) >> 顕微鏡的大腸炎(microscopic colitis)(小児例)(平成24年度)

消化器系疾患分野顕微鏡的大腸炎(microscopic colitis)(小児例)(平成24年度)

研究班名簿 一覧へ戻る

1. 概要

顕微鏡的大腸炎は大腸の組織標本を顕微鏡で観察して初めて診断される疾患で、膠原線維性大腸炎(collagenous colitis)とリンパ球浸潤大腸炎(lymphocytic colitis)の2つに分類される。長期にわたり水様下痢の再燃と寛解を繰り返して患者の生活の質を低下させる。詳細な原因は不明であるが、発症にプロトンポンプ阻害薬やNSAIDsの投与が関与していることがあるとされる。現時点での治療法は薬物療法などの対症療法の他、生活習慣を変えることや、原因となりうる薬物の休薬などが行われている。

2. 疫学

欧米では慢性水様下痢の1-2割程度。本邦では小児の報告なく不明。

3. 原因

膠原線維性大腸炎(collagenous colitis)とリンパ球浸潤大腸炎(lymphocytic colitis)のいずれも発症機序は不明である。内視鏡観察では異常所見を認めないことも多く、病理学的には上皮直下に10μm以上の膠原線維帯を認める膠原線維性大腸炎(collagenous colitis)と、それを認めないリンパ球浸潤大腸炎(lymphocytic colitis)の2病態が知られているが、それ以上の病態は現時点では不明であり、解明が急務と考えられる。

4. 症状

主症状は長期にわたり繰り返す水様下痢である。基本的には血性の下痢を認めることはない。腹痛を伴うこともある。

5. 合併症

少量の粘血を伴ったり、腹膜炎を合併したりする症例も報告されている。最も問題となる合併症は慢性的な症状の繰り返しによる生活の質の低下である。

6. 治療法

確立された治療法はない。自然軽快することもあるが、ほとんどの症例で再発する。下痢改善のため脂肪食の制限やカフェインにの中止など食事コントロールのみで経過をみることもある。またPPIやNSAIDなど原因となりうる薬剤を服用している場合は休薬する。これらで改善しない場合はあみのサリチル酸製剤を投与し、効果不十分の場合、経口ステロイドを投与することもある。

7. 研究班

小児期からの消化器系希少難治性疾患の包括的調査研究とシームレスなガイドライン作成